あと10日近くに迫った米国の中間選挙。2年前の大統領選において、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアの活用がオバマ大統領誕生を後押ししたとも言われているだけに、今回の中間選挙においても積極的にソーシャルメディアを利用する候補者は多い。中でもFacebookへの取り組みが注目される。米国でのFacebookの月間アクティブユーザー数が2年前には約3000万人であったのが、今や1億5000人を超えているからだ。
そこで、Facebookに開設した候補者のファンページが支持者となるファンをどれくらい集めているか、民主党候補と共和党候補とで比較すれば、選挙に向けての両党の勢いの違いをある程度読み取れるかもしれない。WebMediaBrandが発行しているブログ「All Facebook」が、最新の選挙関連統計データを示す特設ページAll Facebook election statisticsを用意していたので、そのページを追ってみる。
まず各党の候補者ファンページが集めた最新のファン総数が、以下のように示されている。ファン数で比べれば、約3倍近くを集めた共和党が優勢にある。2年前には民主党のオバマ候補がFacebookの若いユーザーから熱い支持を受けていたが、今回は風向きが変わってしまったようだ。上院、下院、州知事のそれぞれで、対決する民主党候補と共和党候補のファン数を比べると、より多くのファンを集めた共和党候補が優位に立っている。

たとえば、上院(Senate)の動向を見てみよう。36州をカバーしているが、25州では共和党候補が民主党候補より多くのファン数を集めている。

次にその上院選挙でカリフォルニア州の例を覗いてみた。ここでは、共和党候補者のCarly Fiorina氏と民主党候補者のBarbara Boxer氏との一騎打ちとなっている。先行している民主党候補が多くのファンを確保していた。ただし最近では共和党候補がファン獲得に力を入れ始めており、少しずつ差を縮めているようである。

共和党候補のFiorina氏といえば、1999年から2005年までHPのCEO(2000年からは会長も兼務)を務めた カーリー・フィオリーナ(Carleton S. Fiorina)さんである。彼女のファンページに飛んでみた。デフォルトで以下のAction Centerページが現れた。なかなか派手な作りだ。ファン数2万人獲得を呼びかけている。

日本ほどではなくても米国でも、ネット上の人気とリアルな世界の人気(マスメディアなどの世論調査)とでは食い違うことがあるかもしれない。政治系の新興ニュースメディアのPoliticoの記事で上院選の激戦区の状況を解説していたが、カリフォルニア州の調査ではBoxer氏が46%でFiorinaが44%と、互角の戦いとなっている。
選挙後にも、候補者ページのファン数と当落の関連性をチェックしてみよう。
◇参考
・Announcing The AllFacebook Election 2010 Tracker(All Facebook)
・When You “Like” A Politician, Does That Mean You’ll Vote For Them?(Social Times)
・2010 Senate: The Daily 10(Politico)