comScoreによると,2006年3月のMySpaceのページビューは288億PVで,MSNの203億PVを追い抜き第2位へ。329億PVでトップを走るYahooの背中が間近に見えてきた。だが,Pali Capital のアナリストによるとMySpaceの今年の売上は2億ドルと,世界トップクラスのPVを誇るサイトにしては少なすぎる。落とし穴がありそうだ。MySpaceのPVがインフレではとの疑惑が沸き上がってきているのだ(NYTimes.com,Publishing 2.0より)。
Mike Davidsonのブログが,なぜMySpaceのページビュー数が異常に多いのかを,細かく分析している。要するにMySpaceのサイト全体がクリック増産工場として設計されているとのことだ。インスタントメッセージ(IM)サイトのPVが多いのと同じである。
いよいよPVを抜本的に見直す時期に来ているようだ。使い勝手を犠牲にしてまで,PVを増やすページ設計が未だに横行している。ページビュー保証の広告が健在だからしかたがないのかも。だが,Ajaxの台頭により,そろそろPVを競う時代が終わりつつあるのも確か。MySpaceの異常PV現象を契機に,PV見直しの議論が活発になりそうだ。
また同時に,Web2.0の異常ブームを冷静に見直すべき時かも。CGMをベースにしたWeb2.0風サイトの多くが,爆発的にPVを急増させている。だが,MySpaceと同様,PVが増えても,そのまま売上増に直結しない心配があるからだ。このため,MySpaceでも,FoxTVをからませて,1.0的なアプローチで事業展開していきたいようだ。消費者同士がペチャクチャ喋り合っているだけでは,make moneyしないということか。
◇参考
・Inflated MySpace Page Views Explain 10-Cent CPMs(Techdirt)
・What If Media 2.0 Is Less Profitable Than Media 1.0?(Publishing 2.0)
・For MySpace, Making Friends Was Easy. Big Profit Is Tougher. (NYTimes.com)
・MySpace: Unstoppable Force or Unnecessary Click Factory?(Mike Davidson)