メディアサイトとしてパワーアップしていく米Yahoo。そのYahooがCNET.com編集長Patrick Houstonを獲得し,パーソナル技術ページの強化に乗り出すことになったそして,1年後の昨日,米Yahooが,コンシューマー向けの技術サイトYahoo Techを立ち上げた。

パソコンやデジタル家電の製品を調べたり購入しよとする消費者を対象としたサイトである。競合サイトとしては,Patrick Houston(the general manager of Yahoo Tech)の古巣CNETが運用するCNET Reviewsとなるのだろう。だが,CNET Reviewsのユーザーの多くが技術に精通したgeekであるのに対し,Yahoo Techは技術に疎い一般の消費者でも利用できるサイトとして設計されている。
まず,サイトの説明のために,動画のガイド(tour)を用意した。トップページの上段には,tag cloudもどきのproduct cloudを置いた。カバーしている製品カテゴリーと,人気の高いカテゴリーは一目で分かるようになっている。
*Product20cloud(クリックで拡大)
アドバイザーページにも,専任のアドバイザーを置き力を入れている。製品アドバイスのためのブログが売り物とする。
このサイトは,最近の主要メディアサイトと同様,コンテンツは次の3種類からなる。
・ライセンスドコンテンツ
・オリジナルコンテンツ
・ユーザー生成コンテンツ
Yahooはもともとコンテンツアグリゲーターであり,Yahooのサイトはライセンスドコンテンツが大半であった。だが,web2.0の流れに乗って,最近はユーザー生成コンテンツの比重を高めている。そして,昨年当たりから,オリジナルコンテンツにも手を伸ばしてきたのだ。このYahoo Techでは,専任アドバイザーのブログなどのオリジナルコンテンツが目立つ。単なるアグリゲーターサイトではないのだ。既存のメディアと真っ正面で競合する。おそらく強力な広告メディアとなるに違いない。
Yahooの強みである,他サイトとの連携もおこたりない。Yahoo Answersを組み込み,製品に関するQ&Aに対応している。製品購入に関しては,Yahoo Shoppingと連携する。価格比較やユーザーレビューが提供される。複数の雑誌サイトの製品レビューも閲覧できる。その他のコーナーとして,iFilmとの共同ブランドのサイトHook Me Upが面白そうだ。
ヘッドハンティングした優秀な編集プロに,潤沢なコンテンツをベースにしたメディアサイトを構築させ,そのサイトを集客力抜群のYahoo上で展開していく。他の分野でも,やっていくのだろう。で,既存メディアの打つ手は?
◇参考
・米Yahoo,CNET編集トップを獲得し,パーソナル技術サイト強化へ(メディア・パブ)
・Yahoo,オリジナルコンテンツ編集にまい進(メディア・パブ)
・米Yahooがメディア戦略を方向転換か,オリジナル路線にブレーキを(メディア・パブ)
・Yahoo to Introduce New Technology Channel (AP)
・Yahoo Introduces a Site on Consumer Technology (NYTimes.com)
・In lieu of 'Lucy,' Yahoo launches Tech(Advertising Age)