8日午前10時(日本時間9日午前2時)に米アリゾナ州トゥーソンで開かれていた同議員の政治集会で銃乱射事件が発生、ギフォーズ氏は頭部を撃たれ重体となり安否が心配されていた。その時に、同議員の死亡を伝えるツイートが、マスメディアのツイッター・アカウントから発せられたのである。
どうも誤報の震源地は、NPRのツイッター・アカウント(@nprnews:フォロワー数は38万2494人)であったようだ。
●#0 NPR(@nprnews)が最初に発した誤報tweet(ツイート)
このNPRのtweetを受けて、ReutersやHuffington Post、CNN、Fox Newsといった一部の有力メディアが、おそらく確認もしないで、twitterで死亡ニュースを流してしまった。以下は、Huffington PostとCNNの誤報tweetである。
次は、Reutersのツイッターアカウント(@Reuters)から発信された誤報tweetを、@BreakingNewsがreteet(リツイート)した内容である。
●#1 @Reutersの誤報tweetを@BreakingNewsがreteet
@Reuters(Reuters Top News)のフォロワー数は34万3838人に対し、@BreakingNewsは以下に示すように200万人を超えている。世界のブレーキングニュース・ツイッターとして最も人気の高いアカウントである。多くの人が誤報を信じてしまっただろう。
●#2 @BreakingNewsについて
twitterだけではなくて、Webサイトでも誤報を流してしまっている。以下はreuters.comの誤報記事と、その後の訂正記事である。
●#3 reuters.comの記事(誤報)
●#4 reuters.comの記事(訂正)
Huffington Postはこのような事件となると、特設欄を設けてライブで更新ニュースを出し続ける。上で載せた誤報も掲載したはず。いつものことで驚かなくなったが、コメント数が1万を超えている。
●#6 新興ニュースサイトHuffington Postの今事件の特設欄(Live Updates)
今回のような皆が注視しているニュースだと、速報合戦となる。一方でニュースの賞味期間は短い。チェックに時間をかけられない。ツイッターの登場でリアルタイム報道を競うようになり、とりあえず第一報をツイッターで知らせたいとなる。リツイートなら数秒で済むことも。ニュースの震源地もツイートの発信者も有力マスメディアだから、とりあえず第一報をリツイートでとなったのか。お粗末な報道であったが、今後も起こるのでは。
◇参考
・How incorrect reports of Giffords’ death spread on Twitter(lostremote)
・NPR, Reuters, CNN and other major news orgs incorrectly declare death of Rep. Giffords(Regret the Error)