
100万人規模の反政府デモに向けて、市民が続々とカイロ・タハリール広場に集まってきている。その現場の映像をアラブ系放送局アルジャジーラは、オンラインで休むことなく生中継しているのだ(Al Jazeera English: Live Stream)。2日前にエジプト当局により、アルジャジーラの取材活動が禁止され、カメラなどが押収されたにも関わらずである。
さらにYouTube(http://www.youtube.com/aljazeeraenglish)を介して、生中継映像に加えて、これまでの映像もオンデマンドで世界中で視聴できるようにしている。
またアルジャジーラは、エジプト騒乱の幾つかの写真や映像を、クリエィティブ・コモンズのライセンスの下で他社の報道機関でも自由に使えるようにした。利用可能な写真はFlickrに掲載されている。
09年6月のイラン騒乱と同じく今回のエジプト騒乱でも、マスメディアによるソーシャルメディアの利用は当たり前になってきているが、やはりツイッターの活用が目立った。リアルタイムにニュースを発信するのは当然として、情報収集にも欠かせなくなっている。以下の例のように、エジプト騒乱専用のツイッターアカウントを新たに用意したマスメディアも少なくない。
・CNN(http://twitter.com/cnni/egypt)
・The New York Times(http://twitter.com/nytimes/egypt)
・Al-Jazeera English (http://twitter.com/AJEnglish/egyptprotests)
・NPR(http://twitter.com/nprnews/egypt2011/)
ここで興味深いのは、いかに質の高いツイッターアカウントを選んでフォローしているかである。NYTのアカウントでは55人をフォローしている。その中の1人に、アルジャジーラの記者Dima Khatib氏が含まれていた。

マスメディアではないが、JacobPark氏のツイッターアカウント「Tweeting from Egypt」がフォローしている111人のアカウントは質が高そうだ。111人はいずれも、インターネットの接続が十分でないにも関わらず、エジプト国内からツイートしている人たちである。3日前の記事で紹介したWael Abbas氏やNYTの人気コラムニストであるNicholas Kristof氏も選んでいる。Kristof氏は昨日カイロに飛んできたばかりである。
ところでエジプトのインターネットは、ほとんど遮断されている状況にあるのに、ツイートがエジプト国外のサーバーに届くのだろうか。幸いにも、先週グーグルが買収したばかりのSayNowにより、電話回線によるツイートがエジプト国内からでもできるようになるという(TechCrunchの記事)。
◇参考
・How Journalists Are Using Social Media to Report on the Egyptian Demonstrations(Mashable)
・Report From Cairo(On the Ground)
・With no Internet, Egypt news freed by Google SayNow #Jan25(ComputerWorld)
・Al Jazeera Covers Protests Despite Hurdles
・Al Jazeera Releases Egypt Coverage Under Creative Commons (UPDATED)(ReadWriteWeb)
・Without Internet, Egyptians find new ways to get online(ComputerWorld)