全てのチャンネルのTV番組が,オンデマンドでしかも無料で視聴できる。家庭だけではなくて,インターネット経由で屋外でも・・・。
10チャンネルのTV番組を同時に録画できる装置を,米SnapStream 社の技術者が1669.94ドルの製作コストで作ってしまった。これは10チャンネル・チューナー付きのハードディスク(HDD)・レコーダーである。連続録画しておけば,過去何日間の所望のTV番組をオンデマンドで視聴できるようになる。
既に全チャネル録画サーバー製品が,日本でも出荷されている。ソニーが昨年11月に発売した「VAIO type X VGX-X90P」は6チャンネルを連続録画できるサーバーである。合計1TBのHDDを内蔵している。価格は51万9800円とまだ高価であるが,来年あたりには家庭でも手の届く価格帯の製品が出てきそうだ。
こうしたDVD/HDDレコーダーに録画した番組は,居間にあるTV受像機だけで見る時代ではなくなってきている。年初のCESで米TiVoが発表した“TiVo to Go”では,DVD/HDDレコーダーに録画したTV番組をPCに転送して視聴できるようにした。さらに外出先でも録画TV番組をポータブル装置などで視聴できるサービスを開発中である。そのためにTiVoはMicrosoftとも提携した。このサービスが実現すると,先の全チャンネル録画レコーダーと組み合わせれば,どうなるのか。消費者にとってはワクワクするが,TV業界にとってはヒヤヒヤする世界だろう。
でも,便利ではあるが,視聴可能なTV番組が氾濫してしまう。消費者個人の視聴時間にも限度がある。そこで,見たい番組を探すための仕掛けが欠かせない。メタデータ化である。Yahooのビデオ検索を効率よく行うためのVodcastingなど,メタデータ化の実験も始まっている。だが,コンピュータ・ネットワーク業界主導で進められるメタデータの標準化に,当然のごとくTV業界は反発する。
TV業界のCM依存ビジネスに大きな影響を及ぼしかねないからだ。民放はCM優先で番組編成を決めることが多い。ところが,DVDレコーダーやメタデータ化が広まると,視聴時間帯が変わったり,"CM飛ばし"が増えたりして,従来のCMビジネス・モデルが揺らいでくる。民放のTV番組は(コンテンツ+広告)のセットで成り立っているが,メタデータ化されたコンテンツの一部だけ視聴されては,民放としては困ってしまう。
PCやポータブル装置への転送に対し違法複製防止のために厳しい制約を設けたり,勝手なメタデータ化も認めない可能性が高い。特に日本のTV業界はそうするだろう。だが,音楽業界ではCCCD(コピーコントロールCD)など 厳しい違法複製防止を断行したため,音楽配信サービスで日本は出遅れた。メタデータについては,新聞業界で進めていた供給者のためのNewsMLが足踏みしているのに対し,草の根的に普及してきたRSSを米国の新聞社サイトが競って採用し始めている。さて,TV業界はどう出るのか。
◇参考
・Hydra PVR
http://www.snapstream.com/Community/articles/hydra/default.asp
Recording ten channels at once
http://www.lostremote.com/archives/003726.html
6チャンネルを連続録画できるAVサーバー「VAIO type X」
http://arena.nikkeibp.co.jp/rev/pc/20041014/109753/
2005年02月16日
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ユーザーの便利は業界の不利益
Excerpt: 多チャンネルの録画装置が結構現実的な値段で売られる時代がきそうです。メディア・パ...
Weblog: IGALOGる
Tracked: 2005-02-17 20:43


