その中でも眼を見張るのは、中国版ツイッター(マイクロブログ)の 「Sina Weibo」が台頭してきたことだ。中国のポータルサイトSinaが運用しているWeiboのユーザー数は、昨年4月に1000万人、昨年10月に5000万、そして最近1億人を突破した。今年(2011年)中には1億5000万人に達するという。本家のTwitterを追う勢いである。スタッフも600人から1000人に増やす。
中国語が分からないが、サイトを覗いてみた。右サイド下にトップ10ユーザーが紹介せれており、フォロワー数が出ている。トップの中国人気女優の姚晨(ヤオ・チェン)は667万2520人からフォローされている。10番目のユーザーでも400万人以上からフォローされている。トップ100人のフォロワー数の総計は1億8000万人であるという。冒頭に示したグラフのように、トラフィックが急上昇しているのも納得できる。
かなりの有名人や企業が、すでにWeiboを活用しているようだ。なり済まし対策として、スポーツ選手や映画スター、VIPなどの有名人のアカウントには、Sinaから認証アカウントが与えられている。6万以上の認証アカウントが発行されているという。企業は5000社以上、メディアも独立系組織が2700以上もWeiboを利用している。
中国市場への進出は、企業だけではなくて、海外のエンターテイナーにとっても欠かせなくなってきている。ということで、2月23日に映画俳優のトム・クルーズ(Tom Cruise)がWeiboアカウントを開設した。最初は偽者だと疑われたが、認証アカウントが与えられたので本人であることが確認された。3週間くらいで、早くも25万人のフォロワー数を獲得している。3月5日のツイートで、ファンが20万人を超えたと喜びのメッセージを発している。自分の出演・監督作品のプロモーションにWeiboを利用するとは、トム・クルーズもなかなかの商売人である。
Sina Weiboはvoicemail “tweets”や direct video uploadsのサービス機能も提供しており、また位置情報サービス(LBS)と組み合わせたイベント(たとえば有名人ユーザーの参加)も提供していくようだ。eMarketerによると、中国のソーシャルネットワークユーザー数は2010年の2億700万人から2015年には4億8800万人になると予測している。ただ大きな課題が横たわる。情報統制下でのサービス運用となるため、いろんな制約が課せられる心配がある。中近東や北アフリカの民主化/反政府運動が燃え盛っているだけに、飛び火を恐れて当局も神経質になっている。1月下旬には「エジプト」という言葉が出てくるだけで、Weiboのツイートがブロックされたりした。
◇参考
・China Social Media Popularity: Kaixin001 (-54%) Sina Weibo (+85%)( RESONANCE CHINA)
・Chinese Twitter to double staff(The Register)
・Chinese Twitter looks cheap versus real thing(Reuters)
・China to hit 488 million Social Network users by 2015(Penn Olson)
・Sina launches location-based service(TNW Asia)
・Tom Cruise opens a Sina weibo account(CNN International)
・Sina: Great Numbers for 'Chinese Twitter' Service Weibo(Seeking Alpha)