comScoreの3月データによると、新聞サイトの月間ビジター数(世界)で英Mail Onlineが前月(2月)比27%増の3964万人となり、New York Times(NYT)に次いで世界第2位に浮上してきた。2月にAOLに買収されたHuffingtonPostも同20%増と頑張り3843万人のユニークユーザーが訪れたが、Mail Onlineに追い抜かれ3位に落っこちた。3月のビジター数でトップ10の新聞サイトは、次のようになる。
*新聞サイトの月間ビジター数(ソース:comScore)、単位:千人

いずれの新聞サイトも、2011年3月のビジター数が急増している。それもそのはず、日本の震災(津波や原発事故など)や中東騒動(NATOのリビア空爆など)のような世界を揺るがす大きなニュースが、長期にわたって続いているからだ。トップのNYTのサイトもこのニュース特需により、3月は2月に比べ41%もトラフィックを急増させ、世界中から6196万人が訪れた。
ところが、この新聞サイトのランキングでさらなる激震が走るかもしれない。まずNYTimes.comが3月28日から有料化に走ったことにより、ビジター数を減らし、首位の座から引きずり降ろされるかもしれないからだ。Hitwizeの調査によると、有料化してからNYTサイトのビジター数が一日当たり5%〜15%減ってきており、ページビューは30%も落ち込んできている。一方、Mail OnlineやHuffingtonPostの勢いは続きそうで、NYTサイトに一気に迫るかもしれない。
Mail Onlineは見ての通り、軟派系の大衆新聞である。最近急成長してきた背景としては、New York、Los Angeles、それにWashingtonにスタッフを置き、米国のニュースを充実させ、米国ユーザーを取り込んできたことがある。さらに大衆が熱狂するロイヤルウェディングが追い風となり、4月のビジター数も跳ね上がるのではなかろうか。

Huffington PostもAOLの旗艦媒体としてどのように変容していくかが注目されている。もともと政治分野のブログ新聞として立ち上がったサイトだけに、来年にかけての大統領選はHuffington Postの季節到来かもしれない。
◇参考
・MailOnline overtakes Huffington Post to become world's no 2(MediaWeek)
・Mail Online becomes world's second most popular newspaper site(guardian.co.uk)
・Study: NYT Visits Off As Much As 15 Percent A Day Since Paywall Debut(paidContent.org)