同社の第1四半期決算によると、売上高が前年同期比3.6%減の5億6650万ドル、純利益が同57.6%減の542万ドルと減収減益だった。浮上できない最大の要因は、景気回復に伴いリバウンドでプラス成長に転ずると期待されていた広告売上げが、前年同期比4.4%減とさらに落ち込んでいるためだ。同社の広告売上高は08年と09年に急落し、2010年に入ってもマイナス成長が続き、そして今年もマイナス成長が止まらないということである。
*NYT社(The New York Times Company)の
2011年1-3月期決算(単位:1000ドル)

広告売上のうち新聞紙広告が前年同期比7.5%減と、底なしの状況が続いているのが痛い。というか、新聞紙の広告が回復することを期待しないほうがよさそう。一方、NYTimes.comなどのデジタル広告の売上高は同14.9%増と健闘したが、新聞紙広告のマイナス分を穴埋めできなかった。さらに今期は、About.comのオンライン広告売上高が同10.3%減と不振で、デジタル広告売上の底上げに貢献できなかった。理由は、Googleの検索エンジンのアルゴリズムが変わったため、About.comのページビューが減ったためという。
そこで当てにしたいのが、3月末から実施しているオンラインサイト(NYTimes.com)およびモバイルアプリの有料化サービスである。これらのデジタルサービスの購読者は、サービス開始後3週間で10万人を超えたという。この新しい収益源の売上高が、次の四半期決算で明らかになるはずだ。
◇参考
・The New York Times Company Reports 2011 First-Quarter Results(NYT、プレスリリース)
・NYタイムズの広告売上、マイナス成長から抜け出せず(メディア・パブ)