米新聞(平日版)の2011年3月期発行部数でトップ25の新聞は次のようになる。
●米新聞(平日版)の発行部数:2011年3月期

ほとんどの新聞が、2010年3月期に比べて部数を減らしている。 The New York Timesが 3.4%減,the Los Angeles Timesが1.8%減, The Washington Postが4.8%減, the Chicago Tribuneが3.3%減,The Seattle Timesが 3.7% 減,The Boston Globeが5.7%減と,有力紙の部数が相変わらず下げ止まらない。ただし、平日版の発行部数にデジタル版(Digital Editions)を加えることによって、The Wall Street Journalは211万7796部となり、前年同期比1.2増のプラス成長になった。実はWSJも新聞紙は163万3062部と同3.9%減のマイナス成長になっていたのだが、デジタル版が以下の表で示すように前年同期比21.9%増の50万4734部に跳ね上がっていたのだ。また、1年前に200万部を割りトップの座をWSJに奪われた USA Todayは、2011年3月期の発行部数をほぼフラット(前年同期比0.1%増)に保ち、何とかマイナス成長は免れた。
次は、各新聞のデジタル版の発行部数である。ここでも有料サイトで先行するThe Wall Street Journalが、トップを独走している。

今年に入っても新聞の広告売上も不振である。新聞以外の主要メディア(テレビ、雑誌、ラジオ、インターネット)の広告が回復しているのに、新聞だけがマイナス成長から抜け出せないでいる。その上、ここで見てきたように、有力新聞がこぞって発行部数を減らし続けている。こう見ると、活路を見いだせているのはWSJくらいか。WSJも紙の新聞の発行部数を減らしているが、減った部数以上の有料のデジタル版を獲得できているのだから。
◇参考
・FAS-FAX Top 25 Charts for U.S. Newspapers(ABC)
・Q&R Support Center: Understanding the October 2010 U.S. Newspaper Rule Changes(ABC)
・ABC Releases FAS-FAX Reports(Editor&Publisher)
・Newspaper Circs Slip, But Digital Editions Up(MediaDailyNews)
・Digital Helps Wall Street Journal Boost Circulation, But Print Slips for Both Journal and New York Times(AdAge)