今までも,同社開発者の論文や特許などをベースにして,Googleの検索エンジンを解説した記事は多かった。NYTimes.comの記事も,大筋はこれまでの推測記事と重なる点が多いが,個人的には初めて目にする話も少なくなかった。Googleの開発者への直接取材で,注目すべき点が幾つか明らかになっている。
大規模な分散コンピューティングのための技術として, MapReduceや the Google File System, the Google Work Queueを紹介しているが,既知の話である。また,YahooやMicrosoftの競合他社と違って,検索エンジンのハード(サーバーなど)を自前で設計しているのがGoogleの強さの秘密であることも,よく伝えられている話である。その結果,競合他社に比べて,安価で,高速で,そのうえスケーラビリティのある検索エンジンシステムを構築できたとしており,Alan Eustace(Google副社長)は2〜5年くらい他社をリードしていると豪語しているようだ。
現在,高速レスポンスなど更なる性能向上を目指して,オレゴン州The Dallesに巨大なデータセンターを構築中である。これは,最近,明らかになった話。米CNETが現場写真を撮っている。省消費電力のために,サーバーCPUをIntelのチップからAMDのOpteronチップに切り替える。
さらに,その先の一手も検討している。今回の記事で,最も興味深い話である。Urs Hölzle(senior vice president for operations at Google)から,半導体(チップ)設計を検討していることを聞き出している。そのために,DECで Alphaチップを開発していた技術者(複数)がGoogleに入社しているという。とことん高性能化を目指すとなると,半導体チップの設計まで首を突っ込むことになるのか。
◇参考
・A Search Engine That's Becoming an Inventor (NYTimes.com)
・フォトレポート:グーグル、巨大データセンターを建築中 - (CNET Japan)