*New York Times Co.の第2四半期決算(単位:1000ドル)
売上高は8億5870万ドルで,同1.6増と増収であった。だが,売上高も1株あたり利益も,市場予測を下回る結果になった。一方で,インターネット事業が順調に推移していることを強調するのは,最近の決算報告での決まり文句になってきている。
インターネット売上高は,昨年同期(2Q06)の4900万ドルから6610万ドルにアップした。総売上高の7.7%を占めるようになった。昨年は5.8%であった。また有料サービスTimeSelectの購読者数は51万3000人となった。サービス開始後1年以内に,50万人を突破したことになる。新規に購読料を払っている読者の割合は4割以下ではあるが,まずは順調のようだ。
買収したAbout.com効果も出てきている。同サイトの売上高が同62.7%増の1940万ドルに達した。営業利益は,昨年同期の254万ドルから今年は731万ドルと大幅に伸びた。
だが,プリント部門はかつての牽引力はない。旗艦媒体NYTimesを擁するNew York Times Media Groupは,売上高が5億1550万ドル(2.5%増)で,広告売上高が3億1600万ドル(1.4%増),販売売上高が1億5760万ドル(2.8%増)とまずまずの成績を残した。課題は,不振が続くBoston Globeを抱えるNew England Media Groupの立て直しである。売上高を10%近く減らしている。特に広告の落ち込みが目立つ。
全体にネット系事業の勢いが目立つが,やはり売上や利益の絶対額がまだ小さい。そこでコストカットの大なたを振るわざるえなかったのだろう。すでに,日本の新聞でも報道されているように,用紙代を節約するために,NYtimesの紙面幅を約1割縮めることになった。併せて,印刷工場の統合化も進める。これらにより,年間4200万ドル(約50億円)の経費節減を見込む。
米国の新聞社を代表するNYTimesでも,台所事業は厳しいのだ。
◇参考
・The New York Times Company Reports 2006 Second-Quarter Results (New York Times)
・Times to Reduce Page Size and Close a Plant in 2008 (New York Times)
・NYTimes.comの有料サービスTimeSelect,購読者が順調に増えているが・・・(メディア・パブ)
・Web売上比率高まるNYTimes,Boston Globe のテコ入れで電子商取引に着手(メディア・パブ)