Factivaは,Dow JonesとReuters Companyによって設立されたデータベース・サービス会社。The Wall Street JournalやReuters newswires を始め,世界中の新聞,雑誌,通信社ニュース,調査資料など9000種以上のソースからコンテンツを集めている。主に法人向けにデータベース・サービスを有償で提供している。
一方のMoreoverは,インターネット上の情報を,ほぼリアルタイムに収集・整理して提供する会社である。インターネット上の主要サイトをクローラで定期的に収集し,カテゴリー分けして情報を提供する。メディアサイト,企業サイト,政府サイトなど約1万Webサイトを15分毎に巡回する。さらに速報性を要求される情報サイトについては2分毎に回る。Yahoo!やMSNなどのポータルサイトを始め,政府機関や企業サイトに有償でデータベースを供与している。また一般個人向けにも無料でニュースサービスを提供している。(2004年09月27日付けエントリー「Moreoverも330カテゴリ別ニュースをRSS配信,コンテンツ連動の広告も添えて」を参照)。
FactivaとMoreover は,法人向け情報提供サービス市場で競合する場面もあったが,お互いに補完できると見たのだろう。最近ではインターネット上にリアルタイムで流れるニュースや評価情報が,企業にとっては不可欠になってきた。そうしたコンテンツをカバーしているのがMoreoverで,Factivaにとってはノドから手が出るほど欲しいコンテンツであった。
一方で,Yahoo!やGoogleなどのコンテンツ・アグリゲーターが,リスティング広告モデルの確立を背景に,無料の情報提供サービスを拡大させている。このままでは有償の情報提供サービスがじり貧になりかねない。有償サービスを維持していくには,FactivaとMoreover が手を組まざるえなくなったのだろう。
◇リリース
・Factiva Adds Critical Web Content From Moreover Technologies to Media Monitoring and Reputation Management Solutions
http://w.moreover.com/main_site/pressroom/presspages/02-17-05.html