このDigg人気にあやかろうと,Diggクローンの参加型ニュースサイトが次々と立ち上がっている。AOL傘下のNetscapeサイトも,ホームページを参加型ニュースサイトに衣替えしたばかりだ。一気に30分野をカバーし,総合ニュースアグリゲーターとしてdiggに対抗していこうとする。
だが,Netscapeの滑り出しは順調とは言えない(現在はベータ版)。このような参加型ニュースサイトでは,ニュースランキングの鮮度と質を競うため,できるだけ多くのユーザーに投稿および投票してもらう必要がある。digg.comの月間ユニークユーザー数は850万人で,登録者数は約30万人である(一ヵ月前のデータ)。ニュースを投稿したり投票できる登録者数を30万人以上も擁しているのだ。ホットなニュースを素早く投稿する目利き登録者を抱えているのが,Diggの武器になっている。一方で後発のNetscapeは,どうしても登録者数が少なく,そのため投票数もdiggに比べてかなり少ない。AOL/NetscapeというWeb1.0的なイメージも,参加型サービスを盛り上げにくくしているのかもしれない。そこで,優れたDigg投稿者に対しNetscapeへの乗り換えを働きかけている。Netscapeは,乗り換えれば月額1000ドルを提供するとDigg投稿者に申し出ているのだ。
でも,Netscapeが札束を切っても,Diggの勢いを止めらないのでは。露骨に金の力でソーシャルサービスの乗り換えを実施するやり方に対して,返って反発が高まるかもしれない。それに対し,Diggは,diggの投票箱を設置するツールを用意したり,Google Co-opにContributorsに参画するなど,diggの利用環境の整備を進めている。Diggのやり方の方が,共感を呼ぶ。
CGMサービスの市場では,1強多弱の傾向が強い。Diggは,ソーシャル・ニュース・アグリゲーターの1強にのし上がるのかもしれない。
◇参考
・予定通り始まったDigg3.0,登録者数が急増しそう(メディア・パブ)
・打倒Diggのポータル・ニュースサイト,AOLがNetscape ブランドで開設(メディア・パブ)
・Netscapeに巨大な赤信号(TechCrunch Japanese)
・Integrating Digg Within Your Website (Digg Blog)