その一つが,MySpaceやYahooと提携した米Helio の動きである。Helioは韓国SK Telecomと米EarthLinkのジョイントベンチャーで,若者をターゲットにした携帯サービス会社である。現在,販売中のケータイ端末は,若いMySpace世代がターゲットとうたっているように,MySpaceサービスを利用できるのが売りである。ビデオサービス,3Dゲーム,マルチメディアメッセージング,Yahoo検索などのサービスも提供する。
先月から,映画俳優Tom Cruiseを担ぎ出したり(He was the first user of the Helio Myspace phone.?),TVコマーシャルを流したりと,Helioのプロモーションにエンジンがかかってきた。ただ,ケータイ端末価格が275ドルで,月額通話料金(無制限データ通信)が85ドル〜100ドルと,MySpaceユーザー向けにしては高すぎるのが,気になるところ。
TechWebの記事にも出ていたが,ともかく米国の若者はテレビから離れ,SNSに夢中らしい。
Generation Yers, defined as 18 to 26 years old, are spending more time online, watching less TV, engaging in more social computing activities, such as instant messaging; and using more social networking sites like MySpace than any other generation, Forrester Research Inc. said. (TechWebより)日本ほどではないにしても,米国の若者の間でもパソコン中心からケータイ中心へのシフトが進むはず。やはり,モバイルSNSは注目しておきたい。
では,ケータイサービス先進国の日本では,どうなっているのだろうか。MixiやグリーのようなSNSプレーヤーは既にモバイル版SNSを始めているが,まだまだ助走期間である。米国では,米携帯電話ユーザーのうちモバイルSNSを利用している割合は1%近辺と言われているが,日本もその程度であろう。今のモバイル版SNSは,PC版SNSのサブセットに過ぎない。ケータイの特徴を活かしたモバイル版SNSの出現はこれからである。さて,どこが仕掛けてくるのか・・・。
と思いきや,身近で起こった。KDDIとグリーが資本・業務提携し,携帯電話でのSNSを本格展開することになった。大手の携帯電話事業者自身がSNSに取り組むのは,これが初めてである。具体的なサービスは未定であるが,GPSやスケジューラなどと連携したケータイならではのサービスが出てくるのだろう。音楽配信などのECとの連携も有力だ。SNSをベースにしたユーザー主導のWeb2.0的サービスが,ケータイの世界でも本格化しそうである。
番号ポータビリティ導入を10月に控えているKDDIも,サービスメニューを充実させなければならない。移り気な若年層を呼び込むためにも,グリーと組んだSNSベースサービスを武器にしたいところ。こうしたコミュニティサービスが浸透すれば,他事業者への乗り換えも少なくなるはず。
たまたま近くにいた我がムスメに「友人とのコミュニケーションに何を使っているか」と聞いてみた。次のように,1)のパソコンメールだけから現在は4)に変わったという。
1)パソコンメール
2)ケータイメール
3)ケータイメール+パソコンSNS
4)ケータイメール+パソコンSNS+ケータイSNS
サークルとか大学の友人や,高校・中学時代の友人は,ほとんどSNSを日常的に利用しているという。本人も最近,外では,ケータイ(モバイル)SNSを使い始めたそうな。やっぱり,ケータイSNSは欠かせないようだ。何度か招待を受けながら未だに動いていない私も,SNSを使わないと・・・。
◇参考
・KDDIとグリーの提携について〜携帯電話において、SNSを本格展開〜(プレスリリース,KDDI,グリー)
・KDDIとGREEが作るケータイSNSの未来とは(tarosite.net)
・The Tom Cruise, Helio Connection(GIZMODE)