同じニュースアグリゲーターのGoogle NewsやYahoo Newsでは,過去数週間のニュース記事しか検索できないという。 このため,これまでちょっと古いニュース記事を閲覧する時には,Lexis-Nexis や Factiva のような有料の商用データベースを利用するか,メディアのニュースサイトのアーカイブを個別に検索しなければならなかった。また最近では,Googleのような汎用Web検索でも,特定のニュースサイトだけのようだが,古い記事を検索できるようになってきている。
今回の検索サービスでは,新たに"interactive click-o-gram," が加わった点も興味深い。これは,過去1年間の検索結果数を時系列で示した柱状グラフである。特定の日を指定すると,その日を含む以前のニュース記事やブログを対象に検索してくれる。検索対象をニュース記事だけとか,ブログだけに絞ることも可能である。
下の例は,実際に,"tokyo"を入力して検索した結果である。
次に,グラフで8ヶ月ほど前の1月24日を指定してみた。すると,その日を含む以前のニュース記事やブログエントリーが検索結果として得られた。検索結果の記事やブログは,見出しと本文の一部(キーワードを含む文)が表示される。
試したのは短い時間で正確ではないかもしれないが,使ってみた印象は次の通り。ニュースサイトの記事や選別ブログのエントリーを1年前まで遡って検索できるのは魅力である。だが,検索されたブログは全文読めても,メディアサイトのニュース記事は全文を必ずしも読めるわけではなかった。全文が読めるニュース記事は,Yahoo(一部の通信社のニュース)やKorea Times,新華社などと限られるようだ。また,NYTimesやwashingtonpost.comなどの記事は余り検索されていなかったのも残念だった。
それから,Google NewsやGoogle Searchとの比較も,ちょっとばかり試してみた。NYTimes.comに掲載されていた小泉首相関連の記事2本を取り上げた。その2本は次の記事である。
・7月1日付けのOP-ED COLUM:“Velvet Elvis Diplomacy”
・6月21日付けニュース記事:“Japan to Pull Ground Troops Out of Iraq, Koizumi Says”
上の2本の記事は,NYTimes.comの検索エンジンで検索されたが,残念ながら,Topx.netやGoogle Newsでは検索されなかった。だが驚くことに,Google Searchでは,インデックス化されていて検索結果に現れたのだ(“Velvet Elvis Diplomacy”,“Japan to Pull Ground Troops Out of Iraq, Koizumi Says”)。1本目の記事は有料コンテンツであるが,2本目はNYTimes.comで全文が閲読できた。Google Searchで検索できたのは,NYTimes.comがSEO対策として,ニュースアーカイブの過去記事も検索対象になるように手を加えたためかもしれない。
今回,ニュースアグリゲーターとして,Topix.netが先頭を切って,1年前までの過去記事の検索を始めた。まだ不十分であるが,他のニュースアグリゲーターも追従することになろう。思惑通り,集客力が増し,検索連動型広告の売上が伸びるかどうか。
◇参考
・Biggest Index, Most Sources, Best News Search – Our Dial Goes to 11(Topix.net Weblog)
・Topix.net expands news archive(Reuters.com)
・WashingtonPost.com ,記事の無料閲覧期間を60日間に延長へ(メディア・パブ)
・NYTimesのサイト, ブランド依存から脱却し検索エンジン対策も(メディア・パブ)