これからが本格的なブロードバンドサービス時代である。Googleとしては,どうしてもビデオポータルでも優位に展開したい。ハリウッド映画会社やTV局との連携も急いでいる。ところが,ビデオ共有やビデオ検索をベースにしたビデオポータル競争においては,新興のYouTubeの勢いに押され気味である。利用者数で差を広げられているのだ。今のうちに,YouTubeを叩いておかなければ・・・。
そこでYouTube打倒とばかりに,Googleが必勝法を仕掛けてきた。米国時間9日に,Googleのホームページが突然変わったのだ。GoogleのホープページといえばGoogle検索ページである。米国の検索件数で60%のシェアを占めることからも明らかに,もの凄い数の人が訪問するページである。そのページからGoogle Videoの検索が直ぐに行えるようになったのだ。
以下の画面は,上が2005年4月1日のホープページ,下が現在のホームページである。
Googleのホームページ(トップページ)では,Web検索やイメージ検索など,主要な検索を実施できるようになっている。だが,Googleは多種の検索サービスを揃えており,トップページから検索できるサービスは数種に限定される。9日以前は,Video検索が表示されていなかったのだ。ところが9日になると,商品検索の“Froogle”が追い出され,その代わりにビデオ検索の“Video”が登場していたのだ。
とたんに,Google Videoの訪問者数が急増するのは間違いない。Hitwiseの測定でも,以下のグラフで示すように,“Video”サイトへの訪問数がいきなり2倍以上に急増し,逆に“Froogle”サイトの訪問者数が減り始めている。Googleホームページからの誘導は効果抜群である。
YouTubeとの勝負でのポイントは,Google Videoサイトにユーザーが閲覧したいビデオが揃っているかどうかである。危なっかしいビデオを楽しみにしているYouTubeファンを引き寄せることができるのだろうか。
◇参考
・Google Video - What a Difference a Link Makes(Bill Tancer - Hitwise US)
・ソーシャルネットが次世代インターネットポータルの座に?(メディア・パブ)
・YouTube,ユニークユーザー数でもGoogle Videoを圧倒(メディア・パブ)
・Googleが60%と独走,米国の検索回数調査より(メディア・パブ)