最初にアマゾン提携の狼煙を上げたのが大手雑誌社でもあるHearst。わざわざ今月(9月)13日にプレスリリースで、Hearstとアマゾン(Amazon.com)が連携を拡大していくことを明らかにした。この動きに追う形で、今日(9月28日)のアマゾンのタブレットの発表に合せて、Hearst以外にもConde NastやMeredithなどの大手雑誌社も、有力雑誌の電子版をアマゾン・タブレット向けに提供することを打ち上げる予定だ。
Hearstは、日本でもお馴染みのCosmopolitanやMarie Claireなど、20タイトルの有力雑誌を発行している雑誌社である。電子版の発行にも意欲を示している。すでにEsquireやO, The Oprah、Popular Mechanicsの電子版をiPad向けに出しており、Appleの厳しい要求にしぶしぶ従って、App Storeで一部売りや定期購読を実施している。
Hearstのタブレット向け電子(デジタル)雑誌事業も、徐々に離陸し始めている。同社は、有料の電子雑誌のダウンロード数が月間30万を越えたと話している。なかなか立ち上がらない電子雑誌市場において、月間30万部は明るい動きと言える。アップルのApp Storeだけではなくて、Barnes & Nobleの NookやZinioのdigital readerプラットフォーム向けの電子雑誌も含む。そしてHearstは、4番目の電子雑誌販売チャンネルとして、アマゾンのタブレットとストアに大きな期待を寄せているのだ。
アマゾン(Amazon.com)は紙の雑誌も販売しているので、アップルには真似できない紙雑誌と電子雑誌を組み合わせた販売メニューなどを、雑誌社に提示しているかもしれない。だがアマゾンも、電子書籍の販売でも見せたように、雑誌社にとって厳しい存在であることには違いないのだが。
◇参考
・Most − But Not All − Big Magazine Publishers Sign On for Amazon’s Tablet(All Things D)
・Hearst Passes 300,000 Monthly Digital Subscribers, Takes a Bow(All Things D)
・Amazon.com & Hearst Corporation Expand Business Relationship(MarketWatch)
・Amazon to release new tablet : The Kindle Fire?(The Editors Weblog)


