私のブログはseesaaのサービスを使っているが,幸い,過去に遡って,毎日のアクセスログ・データを見ることができる。そのデータを基に分析してみた。RSSリーダーの登録数については,Bloglines,はてな,livedoorsが公表しているので,そのデータを利用した。ただし最新の登録数しか分からないので,過去データはおぼろげな記憶に頼らざるえなかった。
まず,メディア・パブのアクセス数(ページビュー)であるが,過去2年間の推移は次のようになる。
最新のアクセス数として,昨日のデータをチェックしてみた。まだ,ITmediaの余波が残っているためか,アクセス数は25,973件とかなり多かった。
上表から分かるように,アクセス元はブックマークからが全体の8割近くも占めている。メディア・パブでは普通の日も,リピーター(固定読者)の割合が昨日と同じくらい高い。ブックマーク(RSSリーダーも含まれるか?)に登録した読者からのアクセスが多いのが,メディア・パブの特徴かもしれない。
だが,固定読者以外からのアクセスが少なくとも1割近く(多いときは3割)はいることを,ここでは注目したい。表の3番以降のリンク元からのアクセスである。昨日は1324件(重複がありそう)のリンク元から4000件近くのアクセスがあった。ITmediaからのアクセスは特需みたいなもので非日常的と言える。通常は,検索エンジン(エントリーが検索対象),ブログ,ニュースアグリゲーター,SNS,ソーシャル・ブックマーク・サイト,パーソナライズドページなどからのアクセスである。こうしたリンク元からのアクセスは,3年少し前まで,ほとんどあり得なかった。新たに出現してきたこの種のアクセスは,Web2.0的なトラフィックと言えるのではなかろうか。
こうしたアクセスの多くは,リピーター(固定読者)でないはずだ。つまり,新規読者(訪問者)の可能性が高い。一元のお客さんである。新規訪問者の何人かが,ブックマークやRSSリーダーに登録し,そして固定読者に加わっていくのである。このようにしてメディア・パブも固定読者を増やし,冒頭の表のようにアクセス数が伸びていったはずだ。同様にこれからのメディアサイトや企業サイトも,やはりWeb2.0的トラフィックを呼び込むことに,もっと力を入れるべきでなかろうか。
上のWeb2.0的トラフィックのリンク元を,もう一度,見てみよう(上のスナップショット)。リンク元としては,昨日はnewsingとhatena(はてな)が上位にランクされていた。いずれもニュースアグリゲーターである。昨日の7時13分に投稿したエントリー「メディアサイトでブログが紹介されると,そのブログに何が起こるのか」を,両サイトは1〜2時間後にトップページで扱ってくれていた。このリアルタイム性が肝である。表でも分かるように,かなりの非固定読者を誘導してくれた。
newsingはつい最近立ち上がった読者参加型ニュースアグリゲーターである。これからも,この種のWeb2.0サイトが生まれていけば,ますますWeb2.0的トラフィックが増えていくことになる。
(newsing:2006年8月28日19時52分のスナップショット:クリックで拡大可)
(はてなブックマーク:2006年8月28日20時16分のスナップショット:クリックで拡大可)
ページビュー(アクセス数)は,人気度の尺度として,ある程度使える。だが,ブログのレイアウトによって,ページビューを加減できるので,他ブログとの比較では問題である。ブックマークを介して訪れる固定読者は一般に,トップページにアクセスすることになる。逆に,Web2.0的トラフィックの非固定読者の多くは,エントリー単体にアクセスすることになる。
メディア・パブの場合,他ブログに比べて,トップページにアクセスする固定読者が多いかもしれない。メディア・パブでは,トップページに新しいエントリー10本の全文を掲載している。つまり数本のエントリーが読まれても,1ページビューとしか計数されない。だから,エントリー別の正確なページビューを把握できない問題もある。本来なら,トップページの各エントリーには全文を載せないで,前文だけにすべきなのだろう。全文を読みたければ,エントリー単体ページに飛ばなければならない。そうすれば,エントリー別のページビューも正確に分かるし,ページビューも増やせるかもしれない。
ブログのランキング表で,メディア・パブはどの当たりの位置にいるのかも知りたくなった。ブログランキングは幾つか公表されているようだが,ランキング基準が明らかでなかったり,また明らかでも不可解な点もある。正直言って,どこまで信じて良いのかは分からない。参考のために,ランキング表のURLと,メディア・パブのランキングを示しておく。
「メディア・パブ」のランキング(2006年8月28日現在)
・feed meterブログランキング:55位
・Technorati JAPANランキング:69位
・liveddor Reader登録数ランキング:51位
明日以降に続く
◇参考
・メディアサイトでブログが紹介されると,そのブログに何が起こるのか(メディア・パブ)
・ブログのトラフィックにみられる傾向(FIFTH EDITION)
・変わろうとしているインターネットにおける「実」と「虚」のバランス(インターネットビジネスの現在と未来)