個人的にも,昨年の資料で勉強させてもらった。メディア関係者にお薦めの報告書である。200ページ近くと膨大であるが,サイトマップを見れば分かるように,白書風に整理されている。2005年版は,過去1年間,つまり2004年の動向をまとめたもの。
Newspapers,Online,Network TV,Cable TV,Local TV,Magazines,Radio,Ethnic/
Alternativeの8メディア別に,ニュースビジネスの現状を,調査会社のデータをベースに定量的に紹介してくれている。オリジナルのデータは少ないのだが,過去1年間の膨大な調査データを,ここまでまとめてくれると有り難い。各データの出典元に,きっちりとリンクが張られているのも便利である。
Newspapers(新聞)メディアの場合は,次の11項目に分けて解説がなされており,編集内容,事業,読者などの動向が把握できるようになっている。
Introduction
Content Analysis
Content Summary Tables
Audience
Economics
Ownership
News Investment
Public Attitudes
Conclusion
Charts & Tables
Guest Essay
一つ,オンライン・メディアを例に,どのような内容かを,かいつまんで紹介する。
Content Analysisの項目では,AOL,CNN,Washington Post,Yahooなどの代表的な9カ所のニュースサイトを取り上げ,オリジナルコンテンツや購入コンテンツの割合などを一覧表で見せてくれる。記者が書いたオリジナル・ニュースの割合は,Washington Postが83%で,Yahooが1%であった。コンテンツの鮮度の点では,new storyの割合が全体で,2003年が49%であったのが,2004年は60%に増えた。また,各ニュースサイトのマルチメディア・レベルも比較しており,ビデオリンク,写真リンク,グラフィック・リンクの利用頻度がわかる。
Audienceの項目では,日常的にオンライン・ニュースを利用している人の,詳しいデモグラフィックス一覧表が示されている。また,オンライン・ニュース・ユーザーが,新聞や雑誌,テレビの他メディアをどのように接触しているかも定量的に紹介している。
Economicsの項目では,広告動向,ニュースサイトの売上比較,新聞社のオンライン売上割合比較などが,表やグラフで一覧できる。
◇ソース
・The State of the News Media
http://www.stateofthemedia.com/2005/narrative_overview_intro.asp?cat=1&media=1