日間の平均ブラウザー数は約500万である。前月比で11.64%増、前年比で73.29%増と急成長を続けている。英国の新聞サイトでは断トツのトップを独走している。さらに、世界の新聞サイトと比べても、トラフィック数ではビッグ3に浮上してきた。老舗高級新聞のNew York Timesや新興ブログ系新聞Huffington Postとトップの座を競っている。
「Mail Online」に実際にアクセスして閲覧すれば、人気が沸騰している理由が納得できるだろう。スポーツ、ファッション、マネー、食、トラベル、ヘルスなどの一般受けするテーマから政治や経済もカバーし、王室、セレブ(有名人)のゴシップやスキャンダルとか、思わずクリックしたくなる写真もたっぷり掲載している。軟らかい記事中心の典型的な大衆新聞サイトとなっている。
今年に入っても、トラフィックが勢いよく増え続けている。その理由の一つは、今年はビッグニュースが相次いだことだ。アラブの春に始まった反政府運動、日本の震災・原発事故、ECの経済危機、ビンラディン・カダフィ・金正日の死亡、それに英王室の結婚式やタイの洪水など、多くの人が関心を寄せる大ニュースが相次いだ。最初の表で示したように、英国の代表的な新聞サイトがこぞって、この1年間でトラフィックを大きく増やしている。
またMail Onlineは米国からのトラフィックも急激に呼びこんでいる。米国ネタを充実させ、全トラフィックの1/3が米国からとなっている。さらに、モバイルアプリも、iPhone向けに続いて、Android向けも始め、人気が急上昇していると伝えられている。日本からも利用できる。ユーザーインタフェースも含め充実している。無料なのに広告が掲載されていない。いつか有料に切り替わるかもしれない。
紙のDaily Mailの発行部数が約200万部である。一方オンラインのMail Onlineの月間ユニークブラウザー数が8500万である。Mail Onlineのユニークユーザー数はブラウザー数よりも少ないが、それでもおそらくオンラインで新聞紙よりも20倍以上リーチを拡大できているのではなかろうか。ただユーザー1人当たりの接触時間は、逆に新聞紙がオンライン新聞サイトよりもかなり多い。(1人で多くのニュースサイトにアクセスするが、新聞紙は一般に1紙しか読まないから)。
◇参考
・Mail Online tops 80 million monthly online browsers(Guardian)
・大衆新聞が高級新聞を追い抜き、世界で最も人気の高い新聞サイトになる日(メディア・パブ)
・The newsonomics of the British invasion(NiemanJournalismLab)
・The Daily Mail’s MailOnline, one of the world’s most popular news sites, hits Android(TNW)