そこでオンラインショッピング(B2CのEコマース)市場の動向を覗いてみた。ややニッチな動きかもしれないが、次の二つの動きに注目してみた。蘇寧電器(苏宁电器、英語:SUNING)の躍進と富裕層向けEコマースの台頭である。
中国大手の家電小売店である蘇寧電器は、ラオックスを買収して日本式サービスで事業拡大を加速化させているが、リアル店販売に加えてオンライン販売にも参入している。リアルの家電量販店として仕入価格の強さ備えているため、オンラインでも安値攻勢に打って出て、昨年は中国のB2Cオンラインショッピング市場で9位から一気に3位に浮上した。
蘇寧電器のオンラインサイト(Suning.com)は次の通り。昨年、これまで3位であったamazon.chを抜き去ったことになっている。
またトップのTmall(淘宝商城)はアリババグループに属し、サイト(http://www.taobao.com/)を以下に。ユニクロは昨春から、淘宝と提携しネット通販にも進出しているが、正月のTmallのトップページに以下のように広告を掲載していた。またユニクロは、これとは別に独自サイトでも通販を実施している。
広大な国土に約5億人のインターネット人口を抱える中国は、オンラインショッピング市場はまだまだ拡大していくのだろう。以下のインフォグラフィックでも、2010年のオンラインショッピング人口が米国と同じ約1億4000万人であったのが、2015年には米国の2.5倍の5億人を超えると言う強気な予測が出ている。
ただすそ野の量的拡大だけではない。中国には富裕層人口がものすごい勢いで増えている。年収がRMB 10 Million(約1億2000万円)以上の富裕層が、中国沿岸部を中心に生まれてきているのだ。
そうした富裕層向けのショッピングサイトとして、Shangpin.com, Xiu.com, Vipstore.com, Ihush.com, and Ihaveu.comなどが出てきており、またB2Cオンラインショッピングno.2の京東商城(360Buy.com)も昨年参入してきた。さらに、NetEase.comや Sina.comも富裕層向けのショッピングプラットフォームを立ち上げた。TencentはダイヤモンドB2CサイトKela.cnに出資した。以下はそのKela.cnのトップページ。
the World Luxury Associationによると、中国の luxury消費は2012年にもUSD14.6 billionを超え,市場規模で日本を追い抜くと言う。
◇参考
・CHINESE ONLINE RETAILERS TO GROW IN IMPORTANCE DURING 2012(The China Observer)
・CHINA’S TOP 10 WEALTHIEST PROVINCES(The China Observer)
・Suning Appliance Forecasts 25% Rise In 2011 Earnings(CapitalVue)
・ラオックス 中国での初店舗開店(NHK)
・China's Suning signs deal with IBM for e-commerce(Reuter)
・中国2大家電量販店、蘇寧と国美がB2Cに参入。京東も苦しいか!(中国インターネット新聞)
・China B2C E-Commerce Report 2011(News.Gnom.es)
・360buy.com Finally Launching Luxury Retail Website In China
(China Tech News)
・淘宝(タオバオ)2011年、中国ネットショッピングシェアの9割。年間客単価が約4.5万円(中国インターネット新聞)