PayPerPostは,企業とブロガーとを結ぶマーケットプレース・サービス会社である。指示通りの記事をブログに書かせたい企業と,報酬を得たいブロガーとの間を仲立ちしているのだ。企業からの指示例を以下に示す。
例からも分かるように,参加企業としては,プロモーションや会員集めなどを,ブログのクチコミ効果を利用して,実施したいのだ。それが一種の“やらせ”として行われているのではと,非難を受けているわけである。
だが,PayPerPostはしたたかな会社だ。TechCrunchやBusinessWeekが騒ぎ立ててくれたお陰で,無名の会社が有名になったと言うのだ。またPayPerPostに関する記事がDiggで上位に掲載されるし,PayPerPostの検索件数がTechcrunchにおいて上位にランクされた。注目されたため営業的にも順調に進み,売上が10万ドルを超えたと言い張っている。
憎まれ役を買って出たような会社であるが,一方で憎いまでもSMO(Social Media Optimization)をよく理解している会社でもあるようだ。怒り心頭のTechCrunchとBusinessWeekの両記者からの取材を受け,TechCrunchはそのインタビューの内容をポッドキャストでも発信。その結果,ニュースアグリゲーターでTechCrunchとBusinessWeekの記事が目立つ位置に露出。それに応えて,ブロガーが書きまくる。そして,ますます,PayPerPostが有名に。この手のビジネスは,表向きは反対意見が圧倒的に多そうだが,似たようなクチコミビジネスは既に行われているのが現実でもある。
◇参考
・Unrepentant PayPerPost Gets Funding(The Tech Beat,BusinessWeek online)
・Controversial PayPerPost Raises $3 million(Techcrunch),日本語訳はこちら
・PPP Closes $3 Million in Venture Financing (PayPerPost BLOG)


