中でも,英国が凄まじい。まず,2004年に旧4大メディアの一角のラジオ広告費を追い抜いた。そして,昨年は雑誌広告費を抜き去り,今年は新聞広告費に追いつく勢いだ。まさに,ゴボウ抜きである。それだけではない。トップランナーのTV広告の背中も見え始め,2010年にも追いつくというのだ。視野外と思えたTV広告をも,追い抜くとは・・・。
今年も,英国のインターネット広告市場は絶好調だ。英The Timesが伝える IAB(the Internet Advertising Bureau)の調査によると, 2006年上期のインターネット広告費は前年同期比40%増の9.17億ポンドになるという。これは,英国の総広告費の10%に相当する(昨年の同時期は7.2%)。そして,2006年通期のインターネット広告費は20億ポンド(約4500億円相当)に膨れあがると予測している。新聞広告費とほぼ並ぶ。この勢いで行くと,4年後にも,TV広告費に追いつくというのだ。メディア産業が広告売上に依存する傾向を強めているだけに,メディア間の再編成は必死だ。
以下の表は,IAB調査による,昨年上期と今年上期における,英国の主要メディアのシェアである。
メディア 2005年上期 2006年上期
TV 23.3% 22.7%
新聞 11.7% 11.4%
インターネット 7.3% 10.5%
ラジオ 3.6% 3.4%
一方,日本はどうだろうか。電通調査によると,日本でも2004年にインターネット広告費がラジオ広告費を上回った。昨年のインターネット広告費は2800億円で総広告費5兆9620億円の4.7%程度だ。今年は4000億円近くに跳ね上がるのでは。ということは,雑誌広告費と並ぶことになる。1兆円前後の新聞広告費に追いつくのは,3年後あたりか。2兆円規模のTV広告はまだ射程距離に入っていない。だが,TV広告市場は減速する可能性も高いだけに,6〜7年後にも,インターネット広告がトップを走っているかも。
◇参考
・Online ad spend forecast to pass TV(Times Online)