2006年10月25日

ニッチSNSが次々と開設,ターゲット広告で高い収益性を狙う

 久々に米Red Herring誌(10.02.06)を読んでいると,“Niche Networking:Small social networks for specific groups”の記事が目に止まった。特定グループ向けのニッチなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を紹介した記事である。

 その記事が取り上げていたニッチSNSは,次の7サイトである。開設年月も示す。
Dogster:2004年1月
Catster:2004年6月
Boompa:2006年5月
Famster:2006年8月
Tot Jot:2006年5月
Traineo:2006年8月
YouthNoise:2006年6月

niche sns.JPG

 米国のSNSと言えば,MySpaceを筆頭に,Bebo ,Facebook,Friendster,Orkut など,会員規模を競う総合サイトが主役である。それぞれ得意分野を有しているが,ジャンルを限定することなく多種多様なコミュニティーを幅広く揃えていることを売り物にしている。

 だが,一方のニッチSNSでは,特定グループ向けのコミュニティーに限定しているため,規模も比較的小さい特化型サイトとなっている。先行のDogsterやCatsterを追って,今年の春頃から相次ぎ誕生している。

 なぜ,ニッチSNSなのか。米国の総合SNSでは,会員数が1000万人超クラスの大規模サイトも珍しくないが,多いページビュー数の割には必ずしも収益性が伴っていないのが現状。だが,それらに比べてはるかに小規模なニッチSNSであるDogsterは,開設して1年半後の2005年7月にいち早く黒字化を達成した。犬のプロフィールをベースに熱烈な飼い主間のコミュニティーが生まれ,格好のターゲッティング広告の場となったのだ。DisneyやWarner Bros,Nintendo,PetSmartなどからの広告出稿が相次ぎ,業績は順調のようだ。

 また,総合SNSでは,規模が大きくなると,どうしても濃厚なコミュニティーが育ちにくくなる。一方で,知らない人からの友人依頼が増えたりするこや,仕事も趣味も同じ個人プロフィールで対応することに,不満を持つユーザーも少なくない。さらに,特定コミュニティーに固有の機能を,総合SNSではきめ細かく対応してもらえないことも多い。

 ニッチSNSをザッと紹介する。Dogsterは人間ではなくて犬が主役である。犬のプロフィールが存在し,飼い主が犬を自慢したり,悩みを相談したり,フォーラムを開いたりしている。以下に,フォーラムのテーマ例を示す。

Dogstersのフォーラム
トピックス:(スレッド数,ポスト数 )
・Dog Healt:(3995 ,39273)
・Adoption & Rescue:(1939, 18391)
・Dogs & Travel:(583, 5204 )
 ・Food & Nutrition:(1968 ,24410)
・Training & Obedience :(2793, ,24842)
・Service & Therapy Dogs:(386, 3483)
・Sports & Agility:( 347,2497)
・Dog Laws & Legislation:(752, 10101)
・Grooming:(567 ,5521)
・Fashion & Furniture :(622, 5039)
・Dog Movies, Books & Entertainment:(262, 2102)

このようなフォーラムを見ても,Disneyが広告を出したくなる理由がわかる。

 CatsterはDogsterの姉妹サイトで,こちらは猫が主役である。Dogster/Catsterは現在,22万5000人の会員を抱え,26万5000匹のペットが登録されており,120万枚のペット写真が投稿されている。月間ページビューは1500万である(Dogsterの案内ページより)。 確かに,MySpaceに比べると桁違いに小規模だが,事業の黒字化では先行したのだ。 

 Boompaは車好き人向けに特化しており,またFamsterは家族をターゲットにしたSNSである。Tot Jotは幼児を抱える親向けのSNSである。
 
 Traineoはダイエットを目指す人のコミュニティーサイト。家族や友人にダイエットの進行状況を自動的にメールで報告する仕組みが用意されている。友人達の監視の目がいつも光っているとなると,挫折することなく目標を達成できると言うことか。

 YouthNoiseは,政治問題や社会問題,環境問題をテーマにした真面目なSNS。高校生を中心にした若年層をターゲットにしている。テーマ毎にコミュニティーを形成できるようになっている。

 国内でも,サンロフトのnanotyなど,特化型SNSサービスを提供する企業が出始めている。総合型SNSも特定グループ向けのコミュニティーを拡充していくはず。


◇参考
Niche Networking Sites Proliferate(MediaPost Publications)
Niche Networking by the Numbers(BusinessWeek)
・“Niche Networking”,vol.3,no.37,pp37-38,Red Herring
Famsterのハムスター君、あなたのママと繋がりたい(TechCrunch Japanese)
「車版Myspace」CNETのベテラン二人組みBoompaをローンチ(TechCrunch Japanese)


posted by Kilimanjaro at 10:26 | Comment(0) | TrackBack(1) | Web2.0 SNS CGM
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