
上のような,電子新聞が2008年にも登場しそうだ。英Plastic Logicが解像度が150ppi(pixel per inch)の 10インチ・電子新聞用ディスプレーを,先週ドイツ・フランクフルトで開かれた2nd Plastic Electronics Conferenceで公開した。これまでの同社のプラスティック・アクティブ・マトリックス・ディスプレーの解像度が100ppiであったのを,今回は150ppiに高めた(サンプルはこちら)。
デモのビデオの中で主張しているように,柔軟に曲げられ,軽く,頑丈で,低消費電力を実現できることを売り物にしている。画像を変更する間しか電力を消費しないので消費電力が少なくすむ。2008年までに量産できると売り込んでいる。
電子ペーパー(新聞)や電子ブックを待望する声は以前から絶えない。電子ペーパーや電子ブックを開発する人の多くは,紙媒体の良さを継承するというか,紙媒体に近づけることに力を入れている。ペラペラめくりができるとか,紙媒体に近いレイアウトで読めるようにすることである。確かに,これまでの新聞や書籍に馴染んでいる中高年読者たちにとっても,そうしたニーズがあるかもしれない。また,紙媒体の配達に時間を要する海外や僻地の読者も有り難く思うかもしれない。
だが,今の新聞紙コンテンツを一方的に電子新聞で提供しても,新聞離れが進む若年層を取り込むことは難しい。それどころか,中高年層も購読料を払ってまで,新聞紙コンテンツをベースにした電子新聞を読まないかもしれない。
それよりも,一部の米新聞社サイトが始めているWeb2.0的編集の記事を,こうしたディスプレー付き携帯装置で読みたいのだが。無線LAN(or3.5G移動通信)付きで重量が500グラム以下であれば,嬉しいのだが。
◇参考
・British boffins demo 150dpi bendy display(Reg Hardware)
・Talking ‘Bout a Digital Paper Revolution (Sounds Un-like a Printer)(Web 2.0 Newspapers)
・Plastic Logic to show high resolution flexible active-matrix display at Plastic Electronics 2006(プレスリリース)
・世界初!電子ペーパー新聞、仏経済紙が08年発行計画(YOMIURI ONLINE)
・Why do we need flexible displays? Because they are thin, light and robust.(ビデオ, Plastic Logic Limited )
・プラスティック製大型アクティブマトリックスディスプレーをPlastic Logic 社が製作(プレスリリース)