ブログ検索エンジン企業のTechnoratiのデータでも,定量的にそのような結果を示していた。Technoratiの公式ブログの中で,Dave Sifryが次のようなグラフを提供してくれている。(クリックで拡大表示できるが,文字が読みづらい)。
これはメインストリーム・メディア(MM:大手メディアのことで,伝統的な新聞やテレビなど)サイトとブログを対象に,インバウンドリンクを張っている外部ブログ数を比較したグラフである。上位サイトほど,多くのブログで引用されていることになる。つまり影響力のあるMMやブログと言える。
ここでは,1〜50位と51〜100位を示しているが,お馴染みのロングテール・グラフとなっている。MMが青棒で,ブログが赤帽になっている。上位は,圧倒的にMM(青)が占めており,下位になるほどブログ(赤)が目立つようになる。示していないが,ロングテール部分の下位になればなるほど,ブログが多くなる。
ショートヘッドは大半がMMで,ロングテールは大半がブログとなる。当然の結果である。上位50以内にはブログが3本しか選ばれていない。上位100位でも12ブログしかランキングされていないのだ。トップ6を見ても,The New York Times, Yahoo! News, CNN, MSNBC. WashingtonPost,BBCと並び,新聞社やTV局,それにポータル会社のニュースサイトが顔を連ねている。確かに,NYTimes.comの記事は,多くのブログにとって格好のネタになっている。
でも,影響力の点でMMがブログを圧倒しているとは言い切れない。まず,巨大メディアと単独ブログを比較すると,こうなるのは明らかである。最大規模のブログであるBoingBoingでも 数人のブロガーが毎日10本程度アップするちっぽけなサイトである。運用コストも少ない。一方,NYTimesは 何百人の記者を抱え,毎日500本ほどの記事をアップしている巨大サイトである。また,MMと言われるメディアは数えるほどしか存在しないが,影響力のあるブログは何万,いや何百万といるはずだ。
見方を変えれば,100位以内に12ブログも登場していることの方が,凄いことかもしれない。ブログでは,例えばEngadgetが15位に,BoingBoingが29位に,Gizmodeが51位に,TechCrunchが56位にランクされいた。GizmodeはCNET Newsより上位に選ばれ,またBoingBoingはBusinessWeekより上に位置している。つまり単独ブログが,100人オーダーのプロ集団が作り出しているメディアより,ネット上では影響力があるとも言えるのだ。プロの記者や著名ブロガーの一人当たりのインバウンド・リンク・ブログ数を比較すれば,どうなるのだろうか。
◇参考
・State of the Blogosphere, October, 2006(Technorati Weblog)
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