15日の夜はたまたま,サッカー試合「日本対サウジアラビア」戦のテレビ放送を観戦していた時だった。ところが20時30分ころに突然,試合中継が遮断され,津波警報の画面に切り替わってしまった。その後しばらく,津波到達海岸線の地図を背景に津波警報が繰り返し流され続けたのである。非常に緊急性の高いニュースであったからだ。
このような緊急度の高いニュースなら,速報性を誇るWebのニュースサイトは,早々と伝えているはずと思ったのだが。20時38分前後に幾つかのニュースサイトをチェックしてみた。見回った範囲では,どこも津波に関するニュースは掲載されていなかったのだ(見落としがあるかもしれない)。最初に津波警報ニュースと出会ったサイトは,Yahooニュースであった。テレビが警報を流してから,はぼ10分後である。
新聞社サイトは,Yahooニュースよりもさらに遅かったのではなかろうか。朝日,読売,日経の大手ニュースサイトでは20時40分過ぎである。さらに,システムでニュースを集めているニュースアグリゲーターはさらに遅くなる。Google Newsは21時過ぎであった。新聞社系ニュースサイトの記事を収集しているのだから,遅くなるのは当然である。
実は,気象庁のサイトでは,20時29分の津波予報と20時30分の津波到達予想時刻情報などを,ホープページ上で発表と同時に掲載していた。おそらく,気象庁とTV局とは緊急連絡システムが整備されていて,津波警報などは発表と同時TV放送されるようになっているのだろう。Yahooニュースは,20時40分少し前に気象庁の発表を伝えていた。特に,津波到達予想時刻・予想される津波の高さに関する情報の一覧表(気象庁作成の表)が役に立った。TV放送では,知りたい特定地域の津波情報がすぐには得られなかったりするからだ。
昔と違って,人々のメディア接触の在り方が変わってきている。TV放送離れが進みインターネット接触時間が増えているのだから,主要ニュースサイトでも,地震や津波などの緊急ニュースをいち早く伝える態勢が必要では。
以下に,当日の主な経緯とWebニュースサイトの津波ニュース例を示す。
●2006年11月15日の地震発生から津波ニュース報道の経緯
・・20時15分:千島列島で地震
・20時29分:気象庁が津波予報を発表(ホームページに掲載)
・20時30分:気象庁が津波情報(津波到達予想時刻・予想される津波の高さに関する情報)を発表
・20時30分〜:TV各局が一斉に津波警報を放送
・20時39分?:Yahooニュース(トップ)が速報。天気情報ページで津波情報一覧表(津波到達予想時刻・予想される津波の高さ)を掲載
・20時41分〜:新聞社サイトで津波警報ニュースの第一報を掲載
・21時? :Googleニュースで新聞社サイトの津波ニュースの見出し(リンク付き)を掲載
●Webニュースサイトでの津波ニュースの掲載例Yahooニュース(スナップショット時刻:20時39分前後)
Yahooニュース/天気情報(スナップショット時刻:20時39分前後)
asahi.com(スナップショット時刻:20時42分前後)
NIKKEI.NET(スナップショット時刻:20時50分前後)
Google News(スナップショット時刻:21時15分前後)