ともかく,GoogleやYahooがニュース市場(つまり新聞市場)を浸食しているのは明らかだ。Nielsen//NetRatingsが発表したニュースサイト・ランキングでもはっきりと現れている。以下は,2006年10月の月間ユニークユーザー数ランキングである。Yahoo! Newsがトップで,Google Newsが11位である。ニュースアグリゲーターの両サイトが上位に食い込んでいるのだ。米国では,新聞のオンラインシフトが加速化しているだけに,相対的にGoogleとYahooの勢力が増すことになろう。
新聞社にすれば,GoogleやYahooは自分たちのコンテンツリソースを利用してニュース市場を蚕食する憎たらしい存在であったはず。だが今では,新聞社各社は,Googleサイトからの集客や,Yahooからのライセンス料収入に頼らざる得ないのだ。好き嫌い関係なしに,手を組んでいるのである。
さらに,米新聞社の全収入の7〜8割を占める広告事業までも,これからGoogleやYahooに依存しようとしているのである。まず今月上旬に,New York Times , Washington Post ,Boston GlobeやGannettグループなどの米50紙以上が,新聞紙広告事業でGoogleと連携することになった。Googleが培ってきたオンライン広告仲介手法を,新聞紙広告にも応用する。まず3ヶ月のテストを重ねた後に,本番に入る予定である(1年ほど前から,Googleはテストを始めていた)。
続いて,このほど,複数の新聞社グループ(合計176紙)とYahooが提携することになった。こちらは,Yahooサイトと新聞社サイトとの間での広告とコンテンツの連携が中心。提携に加わる新聞(サイト)はThe San Francisco Chronicle, The Dallas Morning News, The Atlanta Journal-Constitution , The Denver Postなどの地方紙である。まず,Yahooの求人サイトHotJobsに地方紙の求人広告を掲載することから始める予定。
◇参考
・176 Newspapers to Form a Partnership With Yahoo (New York Times)
・Top news sites for October (CyberJournalist.net )
・Google Delivers Newspaper Ads(RED HERRING)