またEbylineのSusan Johnston氏が、有料化に入った新聞サイト数の推移を、四半期単位でグラフ表示してくれている。
(ソース:by Susan Johnston)
有料化に入った米新聞サイトのリストは(こちら) でチェックできる。
この有料化の波はまだ続く。たとえば最近、 McClatchy傘下の新聞の30サイトが有料化を宣言している。年内には1400以上ある日刊新聞サイトのうち約20%が有料化に仲間入りしていると見られている。つまり、今年末までに300紙近くの米新聞サイトが、有料購読サービスを実施していることになりそうだ。
現在、有料化している新聞サイトの特徴は、多くがメーター制課金を採用していることである。156サイトのうち84%が、メーター制の課金の壁(paywall)を置いている。月間で一定本数の記事までを無料で閲覧させるが、それ以上の記事は有料にする課金方式である。サイト有料化でビジター数が減って、オンライン広告の売上が大きく落ち込むことを避けるために、一定本数を無料で閲覧させているのだ。盟主NYタイムズがメーター制課金を採用し、業界内では成果を挙げたとしていることが大きい。メーター制課金で無料閲覧できる記事本数を何本にするかが気になる。現在メーター制課金を採用している新聞サイトでは、本数の平均が11.2本となっている。NYタイムズのサイトは、無料閲覧本数を年初に20本から10本に減らしている。
広告売上げに大きく依存していた米新聞にとって、新聞紙広告売上が下げ止まらくなっている状況に置いて、展望があるなしに関係なく、オンラインサイトの有料化に走らざる得ないのだろう。また新聞サイトにpaywallを置くことは、台頭してきたソーシャルメディアへの壁となる懸念も出てくる。メーター制を採用するのも、ソーシャルメディアとの関係を遮断したくないとの配慮でもある。NYタイムズのサイトではさらに、ソーシャルメディア経由の多くのアクセスに対して、paywallをスルーパスさせている。さらに、NYタイムズやWSJなどの有料記事が、グーグルの検索エンジン経由でアクセスすると(記事見出しを検索窓に入力)、無料で閲覧できることは知られている。
そこで今年3月からメーター制課金を開始したLAタイムズのサイト(http://www.latimes.com)で試してみた。月間15本の記事までを無料閲覧できるメーター制を採用していた。そこで、15本の記事ページを次々と開いてみた。そして16本目の記事見出しをクリックすると、次のようなメッセージのpaywallが現れて、これ以上は有料であることが告げられた。でも、16本目の記事見出しを検索キーとして、グーグル検索エンジン経由でアクセスすると、以下のpaywallが現れずに無料で閲覧できた。
米新聞サイトの有料化は、バラ色の道から程遠く大半がいばらの道に見えてしかたがないのだが。
◇参考
・NAA list shows newspaper paywalls typically allow 11 free articles(Poynter.)
・Newspaper Paywalls Accelerating(Ebyline Blog)
・Papers with digital subscriber plans/paywalls(News&Tech)
・Gannett print advertising down 8% in 2nd quarter(Poynter.)