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2006年12月13日

Web2.0時代の企業ニュースリリース,ソーシャルメディア向けに発信を

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  “Die! Press release! Die! Die! Die!” と,SiliconValleyWatcherのTom Foremski (元Financial Times記者)が叫でいる。企業のプレスリリースの多くは相変わらず昔ながらのスタイルを続けているからだ。

 かつてのプレスリリースは,文字通りプレス(報道メディア)向けの資料であった。マスメディアの記者が目を通すぐらいで,一般のユーザーには関係がなかった。でも今や,ネットを介して消費者に直接,メッセージを伝えることができる時代である。またUGC(ユーザー生成コンテンツ)が幅をきかせるWeb2.0時代にもなっており,ブログなどのUGCを対象にしたPR活動も欠かせない。

 プレスリリースは新しいスタイルに生まれ変わらなければならないのだ。プレスリリースという呼び方も,ニュースリリースと変えた方が良いのかもしれない。あるいは,マスメディア向けのプレスリリースとは別のリリースが必要なのかもしれない。

 と言うことで,今年の初め頃から,米国では新しいプレスリリースの提案が出始めている。先週は,大手の独立系PRコンサルティング会社Edelmanが,「ソーシャル・メディア・プレス・リリース」を発行するためのツール“StoryCrafter”を発表した。同社が提案するソーシャル・メディア・プレス・リリースは,ソーシャルメディア対策のためにフィード,タグ,del.icio.us/diggボタン,トラックバック,コメントなどを備え,またマルチメディア化にも対応している。

 同じく,ボストンのPRエージェント会社SHIFT Communicationsも,以前から提案していた「ソーシャル・メディア・プレス・リリース」を正式発表し,そのテンプレートを公開した。以下は,そのテンプレートである(クリックで拡大)。
 
プレスリリーステンプレート0612.JPG

 またプレスリリースの大手配信会社PR Newsworeは,マルチメディア化を図った「マルチメディア・プレス・リリース」 を提案しており,既に実用化している。

 これからのプレスリリース(ニュースリリース)には,ソーシャルメディア対策やマルチメディア化が浸透していきそうだ。

 ソーシャル・メディア・リリースを作成する場合に議論すべき項目を,Chris Heuerがまとめてくれている。その項目一覧(Elements of the Social Media Release)は以下の通りである。

Headline
Sub Headline
Highlights / Key Facts
Summary
Tags / Keywords
Links / URLs
Link Types
Reserved Link Types
Quotes
Embedded Audio, Video and Images
Embed Other Microformats
Traditional Press Release
Company Information
Contact Information
RSS Feed for Company
Date/Time Stamp
Modifications / Corrections
Geography
Source URL
Trackback URL

◇参考
・EDELMAN INTRODUCES WEB-BASED TOOL FOR PUBLISHING SOCIAL MEDIA NEWS RELEASES (プレスリリース)
・EDELMAN INTRODUCES WEB-BASED TOOL FOR PUBLISHING SOCIAL MEDIA NEWS RELEASES (Edelman)
・Elements of the Social Media Release(Social Media Release)
・Social Media Release Optimization(Online Marketing Blog)
・Multimedia News Release Sample Page(PR Newswire)
・The "Social Media Press Release" Debuts - Download the Template Today!(PR Squared)
・ エデルマン・ジャパン、 2006年度ステークホルダー調査結果発表〜PRによって実現する記事報道の信頼性は、広告掲載を上回る〜 (エデルマン・ジャパンのプレスリリース)
・ エデルマン・ジャパンとテクノラティジャパン、
日本のブロガーの動向に関する最新のPR調査結果を共同発
(エデルマン・ジャパンのプレスリリース)

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posted by 田中善一郎 at 07:54 | Comment(1) | TrackBack(2) | マーケティング 広告
この記事へのコメント
こんにちは
 メディアと企業広報の関係が大きく変わりそうですね。これまで企業広報はメディア向けに難解なリリースを送っていればよかったが、消費者向けの場合にはわかりやすさとキメの細かい対応が必要になります。
 一方で新聞記者が書いた原稿より、するどいコメントをユーザーが投稿する時代ですから、こうしたリリースが普及すると、単に事実を羅列するだけの記者の価値は大きく下がるでしょう。企業側はニュース投稿サイトやブログなどの消費者参加型メディアが力を持ち出すと、メディアを利用するより、消費者に直接、訴えた方が効果があると感じるようになります。
 そうなると、発表ニュースはコモディティー化してしまい、メディアの影響力は急速に衰えるでしょう。
 情報の流通業であるメディアは、技術進歩による変化の荒波にしばらく、翻弄されそうですね。
Posted by tamagawa at 2006年12月13日 08:55
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