でも中には,部分配信派から全文配信派に乗り換えるブロガーもいるようだ。Digital Inspirationのブロガーもその一人である。今までRSSフィードを記事(エントリー)の一部しか送っていなかったのに,最近は記事(エントリー)全文を送るようにしたという。
これまで,彼が部分配信を支持していた理由はこうだ。エントリーの全文をRSSフィード内で送っていると,RSSリーダーのユーザーは元のブログにアクセスしなくなる。その結果,ブログのページビューが減り,ブログ広告の売上も減ってしまう。
部分配信派の大半は,そのように考えているはずだ。それなのに,彼は全文配信派に乗り移ったのだろうか。1ヶ月前に,全文配信を試みた結果から次のことが判明したからだ。全文を送ることにより,RSSリーダーのユーザーが新たに1000人も加わった。これで,まずフィード内広告の売上高が増えた。結果として,ブログ内広告も加えた総広告売上が,部分配信の時よりも増えることになった。つまり,総インプレッション数(RSSフィード・インプレッション数+ブログエントリー・インプレッション数)が増えたのだ。ブログエントリーのアクセスが少々減っても,それ以上にRSSフィードを読む人が増えたと言うことだ。
確かに,RSSリーダーのユーザーは,多くのRSSフィードを登録しだすと,なるべくならソースになるべく飛ばないでRSSリーダーだけで済ませたい。お気に入りのブロガーのRSSフィードでもなければ,よほど惹きつける見出しと要約でもない限り,元のブログにアクセスしなくなるのかもしれない。
これは,個人差がある。更新エントリー数の多いブログからのRSSフィードを,エントリ全文の形で読むのは面倒と嫌う人もいるだろう。RSSリーダー側で,全文フィードの場合でも,フィード毎に部分表示に出来る場合もあるので,ユーザーに任せる流れも出てくるかもしれない。また,パーソナライズ・ページ・サービスが増えてきており,この場合は,全文配信していても全文を読んでもらえない。
◇参考
・Do You Publish Full Text Feeds Or Partial RSS Feeds ?( Digital Inspiration )
・RSSフィード論争,“抜粋 vs 記事全文”(メディア・パブ)