世界GDPの主要国別シェアが今後50年間に渡って、どう変化していくかをOECDが予測した。世界GDP(OECD加盟国34ヵ国と非加盟国8ヵ国とG20の、各国GDPの総計)の主要国別シェアが、2011年と2030年、そして2060年へと、どのように推移しているかを示している。GDPは2005年のPPP(purchasing power parity、購買力平価)ベースではじいている。

2011年、2030年、3060年のそれぞれの国別のシェアを、円グラフで示すと次のようになる。



中国とインドのGDPシェアが拡大していくのは予想通りの流れである。1人当たりのGDPが両国共に、2011年から2060年までの間に7倍に膨れ上がるとOECDは予測している。中国については、1人当たりのGDPが2011年の8,387ドルから2060年に約6万ドルに達するという。ちなみに米国の2011年の1人当たりのGDPは4万8,328ドルである。50年後には中国の1人当たりのGDPが、現在の米国よりも上回ることになるわけだ。
ただし50年後には米国の1人当たりのGDPが13万6,611ドルに増えており、2060年時点では1人当たりGDPが中国の2倍強となる。個人レベルでは米国がまだまだ豊かということか。でも2011年時点で両国間の1人当たりのGDPが約6倍も大差が開いていたのに、50年後には約2倍に縮まっている。
2060年を待たずに2030年前にも中国がグローバル経済の主導権を握るのは間違いなく、米国としては何とか2大経済大国(2G)の一角を確保したいところ。一方日本は経済小国との烙印を押されてしまったようだが、1人当たりのGDPが中国よりも多いことで満足すべきなのかも。50年後には、中国の世界CDPシェアは27.8%であるのに対し、日本は3.2%である。2060年の人口が中国が13億人前後で日本が8700万人前後とすると、50年後の中国の1人当たりのGDPは日本の6割近くになる。豊かになっていく巨大な13億人前後の中国人が、先進国とほぼ同じエネルギーや食料を消費していくのだから、今から世界各地で資源確保に中国が躍起になっているのも当然なのだろう。
以下は、今回のOECDレポートの解説ビデオ。
◇参考
・Balance of economic power will shift dramatically over the next 50 years, says OECD(OECD)
・OECD Economic Policy Paper、Nov.2012(OECD):31ページのPDFファイル
・Good news! The next 50 years are going to be amazing(Washington Post)