スパム(迷惑メール)に関する調査は幾つか発表されいるが,測定の仕方の違いかバラツキが大きい。絶対値よりも相対値を見た方が良さそうだ。傾向としてはスパムは相変わらず増え続けている。Postiniによると,今年3月における全メッセージのうち87%はスパムで,2月の88%からは1%減ったが,ならして見れば増加しているという。1年前の3月は77%であるから,1年間で10%も増えたことになる。同社は,2005年末には92%近辺に達すると見ている。
これじゃ,メールユーザーは困り果てているはずと思いきや,必ずしもそうではないとの調査結果も。米Pew Internet & American Life Projectのレポート(PDFファイル)によると,迷惑メールによる“迷惑度”は減ってきているとのこと。今年は1月13日から2月9日までの間に電話アンケートを実施した。その結果,昨年に比べ多くの人が,意外にも迷惑メールを気にしなくなっているというのだ。
Pewレポートの主だった結果は次の通り。
・インターネットユーザーの52%はスパムを大問題と見ている。
・去年に比べスパムが増えたと答えたユーザーが28%に対し,減ったと答えたユーザーがは22%。
・スパムのため電子メールを信用しなくなったユーザーは,昨年の62%から今年は53%に減少。
・スパムのため電子メールの使用頻度が減ったユーザーは,昨年の29%から今年は22%に減少。
・スパムを不愉快と感じているユーザーは,昨年の71%から今年は63%に減少。
ユーザーがスパムを気にしなくなっているのは,慣れたせいか,それとも諦めたせいか。うまくスパムを振り分けてくれるソフトももあるし,昨年から施行されたCAN-SPAM法規制の効果かも出てきたのかも。確かにPewの調査でも,ポルノ迷惑メールを受けたユーザーは,昨年の71%から今年は63%に減っている。
◇参考
Deadly Duo: March 2005
The Spam You Never See Can Hurt You