インターネットサイトのオーディエンス・ランキングなどを調査しているcomScoreは、これまで毎月公表するランキング調査で、PC/デスクトップのユーザーだけを対象にしていた。そこでモバイル時代に呼応して9月から、デスクトップに加えてモバイル端末からのトラフィックも調査に加えることにした。現在は米国内ユーザーを対象にテスト中ということであるが、今後、米国外でもモバイルを調査対象に加えていくことになろう。9月のランキングは次のようになった。

まず、ランキングトップのGoogleサイトを見てみよう。Googleサイトには月あたり、米国内のデスクトップ/Webから1億9000万人がアクセスしており、またiOSやアンドロイド搭載などのモバイル端末から1億900万人が訪問している。総計のユニークユーザー数(Total Digital Population:デスクトップユーザーとモバイルユーザーの重複分は除く)は2億1500万人である。この総計ユーザー数からデスクトップユーザー数を差し引いた2500万人は、Googleサイトにモバイル端末からしかアクセスしていないユーザー数となる。
従来の「Media Metrix Rank」では、デスクトップからのユニークビジター数でランク付けをしていた。トップ4は、Google、Microsoft、Yahoo、Facebookの順となっていた。ところが新しい「Media Metrix Multi Platform」では モバイルからのユーザーも加えたTotal Digital Populationでランク付けしている。その結果、ランキングで変動が起きた。モバイルユーザーの割合が相対的に低いMicrosoftが2位から4位に落ち、その代わりYahooとFacebookがそれぞれランクを一つ上げた。
日韓に比べモバイル後進国と見られていた米国でも、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、モバイル端末からのトラフィックが急増してきた。Google、Yahoo、Facebookのビッグ3がいずれも1億人前後の月間モバイルユーザーを抱え、総ユニークユーザーの約半数がモバイルからもアクセスしていることになっている。他にも次の4サイトのように、モバイル端末からのアクセス比重が増しているサイト(サービス)が目立ってきた。Pandoraはパーソナライズが特徴のインターネットラジオサービスで、Yelpはレストランなどの口コミサイトである。
Pandora.com:81%、62%
Twitter.com:54%、35%
ESPN :49%、28%
Yelp.com :48%、30%
(百分率の左はモバイルユーザーの割合<上表の黄色>で、右はモバイル端末からしかアクセスしないユーザーの割合<上表の茶色>)。
AmazonやWal-Martのようなショッピングサイトもマルチデバイス(マルチプラットフォーム)対応に力を入れており、Amazonサイトには6200万人、Wal-Martサイトには1900万人の米国内モバイルユーザーが1ヶ月間に訪れている。
◇参考
・comScore Announces Beta Release of Media Metrix

・comScore Rolls Out Cross-Platform Audience Measurement Combined mobile and desktop metrics provide big boosts for Pandora, ESPN By Charlie Warzel
・ComScore To Include Mobile Traffic in New Measurement(WSJ.com)
・The Biggest Players In Mobile These Days Are Pandora, Twitter, Yelp, and ESPN(Forbes)