インターネットアナリストとして有名なMary Meeke氏は現在、KPCB(Kleiner Perkins Caufield & Byers)のパートナーとして活躍している。彼女は定期的に「Internet Trends」のスライドを発表しており、今回は半年前の「2012/5/30版」を更新したものである。ここで示されているメガトレンドは良く知られている話であるが、定量的に分かりやすくビジュアル提示されているので、頭の整理に役立つ。
最初のグラフは、パーソナル・コンピューティング・プラットフォームのOS出荷ベース別によるグローバル市場シェアである。2005年ころまで95%近くも占めていたWintelが、2012年には35%にも激減している。代わって、モバイルOS(iOS+Android)が45%へと急増している。パーソナル・コンピューティング・デバイスの主役が、Windowsパソコンからモバイルデバイス(iOSやAndroid搭載のスマートフォンやタブレット)へと急シフトしているわけだ。企業の業績にも明暗がくっきりと。マイクロソフト、インテル、AMD、HP、デルなどの影が薄くなってきているのに対し、アップル、グーグル、クアルコム、ARM、サムソンなどの勢いが目立つのも当然か。
出荷ベースだけではなくてインストール台数ベースでも、2013年にもグル―バル市場で、モバイルデバイス(スマートフォン+タブレット)がPC(デスクトップ+ノートブック)を追い抜きそうだ。
モバイルアプリやモバイル広告の売上も伸び始めている。順調に伸びているものの、2012年の成長率が2011年に比べやや鈍化しているのが少し気になるが。
モバイルデバイスの普及に伴い、オンラインショッピングでもモバイル依存が一段と高まっている。米国の年末商戦のピークともなるBlack Friday(今年は11月23日)において、モバイルデバイスからのインターネット・ショッピング・トラフィックの割合が、以下のように急増していた。ここで注目すべきは、iOS搭載デバイスの比率が高いことだ。
次は、米国がモバイル後進国からモバイル先進国に変身したことを証左するグラフ。6年前にはスマートフォンOSのシェアで米国産がわずか6%しかなかったのに、今年には88%も占めるようになっている。心臓となるモバイルOSを握った米国企業が、モバイル市場のルールを次々と策定している。
最後に、ネット上で作られ共有される情報が爆発的に急増して様子を示すグラフを。この元データーはIDCのドキュメントである。Web2.0とかソーシャルメディアとかの流れの中で、誰もが気軽に写真やツイートなどの情報を作り出し共有できるようになってきた。モバイル時代においては、いつでもどこでも情報を作り、共有できてしまう。その情報量は2011年に1.8zettabytes (1.8 trillion gigabytes) であったのが、5年以内に約9倍に膨れ上がると予測している。(1zettaは2の70乗)