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2007年01月04日

Google支配が続く:2007年予測(1)

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 あけましておめでとうございます。

 このブログは個人的な備忘録のつもりだったのですが,最近は何人かの知り合いも閲覧してくれるようになりました。さらに今年から,右サイドに広告が掲載されているように,ブログネットワーク「アジャイルメディア・ネットワーク」にも加わることになります。今までのように好き勝手なことを書き留めるパーソナルメモから,他人が読むことを前提にしたパブリックメディアに変身していかなくてはならないのかもしれません。と言うことで,この場を借りまして,「今年もよろしくお願いします」と新年の挨拶をさせてもらいます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 さて何から手を付けるべきか。老人ボケに正月ボケが加わり,エンジンがかからない。年末年始はネットを遮断したオフライン状態で,テレビとか新聞とかの旧来メディアにどっぷり浸かっていた。「ALWAYS 三丁目の夕日」世代の者にとって,受動メディアは気楽で,なにか癒される。だが今日から,久しぶりにオンラインの世界に戻ることにした。ニュースが山積みになっており,追い立てられるようでどうも落ち着かない。正直なところ気が重い。ほぼ1週間ぶりに米国のブログを眺めていると,あちこちで「2007年予測」の見出しが飛び交っている。パブリックメディアらしく振る舞っていくには,やはりトレンドっぽい話から始めるべきか。

IBMからMS,それから今はGoogle時代に

 ということで,どこでも語っているGoogleの話から。多くのブロガーが認めているように,今やインターネットサービスはGoogleの天下である。昨年は,そのGoogle支配をより明確にした年でもあった。さて,今年は?

 Rich Skrentaに言わせると,これまでコンピューターの世界を支配してきた企業は次の3社となる。

IBM 1950-1980(メインフレーム時代)
Microsoft 1984-1998 (パソコン時代)
Google 2001-? (インターネット時代)

 現在の帝王Googleは,検索サービスとインターネット広告市場で主導権をほぼ掌握している。Googleのサービスは,地球をカバーするwebスケールの巨大コンピューティングプラットフォームで支えられており,帝王の座は揺るぎそうもない。米国の検索サービス市場におけるGoogleのシェアは未だに拡大しており,昨年後半には70%を超えたという。それに応じて,検索連動型広告市場でも独走態勢に入っているのだ。

 このままでは,巨人Microsoftにしても単独でGoogleの勢いに待ったをかけるのは厳しそう。そこで,予想屋さんが言い出しているのが,MicrosoftによるAOLの買収,さもなければYahooによるAOLの買収である。さらには,MicrosoftによるYahooの買収という無責任な放言まで飛び出している。こうした超大型買収でも実現しないと,Googleと対抗できないと言うことか。

ポストGoogleの検索エンジンが現れるか

 Googleの武器は検索エンジンである。Googleの検索エンジンの牙城を少しでも切り崩そうと,YahooやMicrosoftが新機能の開発に必死に取り組んでいる。だがこれまでは,シェアで差を縮めるどころか,拡げられているのが現状だ。

 総合検索サービスで真正面からGoogleに立ち向かっても相手にされない。となると,Googleが対応できていないバーティカル分野の検索とか,あるいは新しい機能を装備した検索サービスとかで,攻めないとダメであろう。昨年半ば当たりから登場してきた新興の検索サービス会社は,そうしたニッチ市場を狙ったベンチャーである。こうした動向は,New York Times(Published: January 1, 2007)やRead/WriteWebが詳しいので,そちらをどうぞ。

search070103.JPG

 新興の検索サービスで,個人的に注目しているのは次の4つである。
・ChaCha:チャットによる専門家(約1万人が登録)のサポートが得られる検索サービス

・Snap:検索結果のリンク先ページのプレビュー表示が売り物の検索サービス。最近,国内でも採用しているサイトをよく見かける。それに,検索連動広告の課金モデルでCPT(cost per transaction)を採用したことも大きな特徴。

・hakia:自然言語処理の検索サービス。今までも繰り返し挑戦されてきた “natural language” search engineが,はたして実用レベルで成功することができるかどうか。

・Clusty:検索結果を自動分類する検索サービス。日本語版サイトも立ち上がっている。

 いずれも特徴のある検索エンジンで,飛躍して欲しいサービスである。だが,Googleの対抗馬に育つには役不足かもしれない。検索サービス市場の隅の一角を占める程度か。

 Skrentaの解釈では,IBMの天下は30年近く続いた。Microsoftの天下はその約半分の14年も続いたことになる。Googleの天下はさらにその半分とすると7〜8年間となる。2008〜2009年までGoogleが主導権を握ることになる。変化が加速化している時代に,7〜8年間も主導的立場に居座ることは凄いことである。ということは,少なくともGoogleにとって2007年は安泰か。


信頼してくれているユーザーを軽視したときが危機
 
 Googleの最大の武器は,ユーザーからの信頼とも言える。魅力あるサービスを次から次へと提供してくれているからだ。それも無料で。ユーザーのためを優先してくれる公正な会社であると,多くのユーザーは信じ込んでいる。悪いことをしない会社と信じているからこそ,ユーザー情報を利用した広告ビジネスに対して,ユーザーが寛容なわけだ。

 私もいつのまにか,Google SearchだけではなくてGmail,Google Calendar,Google Docsなどのサービスを,Googleのパーソナライズドページをベースにして,日常的に使っている。多くのサービスが,ケータイからでも利用でき始めているので,知らないうちにGoogle依存の度合いが増す一方である。世界中の数十万台のサーバーで,それも3重化の構成で,サービスを提供してくれているのだから・・・。何となく安心と思い込んでいた。応答性,信頼性,使い勝手のいずれにおいても,おおむね満足していたし。

 だが,最近,Googleに対する風向きが変わってきた。Google批判の記事が,マスメディアだけではなくてブログの中でも目立って増えている。強くなったGoogleに対する批判が増えるのは当然かもしれない。Googleに対するユーザーの期待感も膨らむ一方なので,ちょっとしたミスでも集中砲火を浴びる。

 Google信奉者の間でも,手厳しい意見が多くなってきた。影響力が出てきたTechCrunchも,批判記事を連発している。ユーザーのためではなくて,自社のためを優先した行動が露見してきたとの批判だ。例えば,公正さを売り物にするGoogle Searchの検索結果で,Google製品が検索結果の上位に表示されるという件である。クリック詐欺問題を始め,Googleの秘密主義に対する苦情も絶えない。

 また,Googleシステムの安全神話も崩れ始めている。この1ヶ月間でも,GmailやOrcutなどがシステムダウンした。Gmailのユーザーメールが大量に消失したトラブルも起こっている。私も,年末にGmailがダウンしたときは,仕事が中断して大慌てしたものだ。自分のパソコンがダウンするよりも,Googleシステムがダウンする確率のほうが遙かに低いはず。でも絶対安全と言うシステムもあり得ない。そんなことが分かっていても,Googleシステムがダウンすると大騒ぎになるのだ。

 かつてMicrosoftが憎まれ役を演じてきたように,これからはGoogleがその役を受けなければならないのだろう。これまでのように,自社(株主や社員)のためではなくて,ユーザーのためのサービスを提供している会社であるとの印象を与え続けていける限りにおいては,Google帝国も安泰かもしれないが・・・。そのためには,昨年のように驚異的な増収増益を継続しなければならない。大変だが,Googleなら今年もやってのけのかも。


◇参考
・Winner-Take-All: Google and the Third Age of Computing(Skrentablog)
・The Race to Beat Google (Read/WriteWeb)
・In Silicon Valley, the Race Is On to Trump Google (NYTimes.com)
・Google、泣きっ面続く…(TechCrunch Japanese)
・Tip: Trust is hard to gain, easy to lose.(Blake Ross on Firefox)
タグ:google

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posted by 田中善一郎 at 11:37 | Comment(0) | TrackBack(5) | 市場
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