(日本時間の2007年1月7日11時現在)
このように急成長がはっきりしてくると,いつものようにマスメディアまでが一緒になって,一斉に大騒ぎし始める。そこで,3次元仮想空間SLはさぞかし大賑わいと思って訪れてみると,拍子抜けするかもしれない。まだ開発途上の世界である。CNN.com やCNETなどが伝えるように,SLを頻繁にログインするユーザー数は20万人から23万人と多くないのだ。つまり,SLのアクティブユーザー数はSL登録者数の10%程度である。
先ほどアクセスしてみると,実際に活動しているログイン者数は2万人ちょっとであった。過去60日間に一度でもログインしたことのあるユニークユーザー数は84万人,過去30日間では53万人となっている。またCORANTEによると,過去,一度でもログインしたことのあるユーザー数は153万人である(200万人にも届かないのは,かなり二重登録が多いためのようだ)。
また,月額料金9.95ドル(米ドル)を払っているプレミアム会員数は4万2400人である。プレミアム会員は土地を所有し,そこで建設したり展示したり、接待などを行える。Second lifeを運営するLinden Labとしては,経営面でもコミュニティーを活性化させるためにも,プレミアム会員を増やしていかなければならない。
Second Lifeと似通ったモデルのWorld of Warcraft(WOW)は,米Blizzard Entertainmentが運営するMMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game:多人数同時参加型オンラインRPG)であるが,月額料金15ドルの会員を750万人以上も抱えているという(実際には低額料金の中国ユーザー300万人も含んでいる)。有料会員規模の点では,SLはまだまだWOWと比較できる段階にないのである。
だがSLは単なるオンラインゲームではないだけに,WOW以上に広く深く展開していくだろう。というか期待したい。開設して3年ほど経過したが,上昇気流に何とか乗り始めたのは1年ほど前からである。これからが一気に急浮上する段階と思いたい。ところが一部では,SLは壁に突き当たるとの意見も出始めている。今はマニアックな人が楽しむ段階であって,一般の人が利用するにはまだ環境が整備されていないからだ。
一方で,企業がマーケティングの場としてSLを活用する動きが目立ち始めている。でも,消費者となるユーザーは限られており多くがマニアック層であることを前提に実験すべきのようだ。いろんな問題が噴出するのはこれからである。実際に今でも,SL内の企業サイトには卑猥な物が飛び込んできたりしているようだ。米国のメディアやブログでは,webpronews.comやValleywagのように,SL内で起こっている実態を伝え始めている。以前,リアル世界の出来事であったが,ビルゲーツがパイを顔に投げつけられたことがあった(YouTube)。だが,バーチャルの世界であるSLでは,それ以上の事件が頻繁に起こりかねないと心配する声も出ている。
ともかく,これから何が起こるかが計り知れない。それだからこそ,SLは面白いのだが・・・。
◇参考
・Real Second Life numbers, thanks to David Kirkpatrick(Many-to-Many)
・Why Second Life Numbers DO Matter(The Browser)
・Second Life's Census Problem: 2MM or 200,000?(MarketingVOX)
・Counting the real 'Second Life' population (CNET News.com)
・Second Life: The Other Side Of The Coin(webpronews.com)