米国の大手新聞社系ニュースサイトでは,2004年ころから盛んにRSSフィード配信を始めていた。ユーザーの要望に応えて,細分化されたカテゴリー別にRSSフィードを用意していたのが特徴的である。NYTimes.comのRSSフィード一覧やwashingtonpost.com のRSSフィード一覧を見れば,納得できる。ただ,RSSがあまりにも技術っぽい話であるため,日常的にRSSリーダーを使いこなして情報収集する人は限られていた。
だが,最近は,パーソナライズド・ページ・サービスのように,知らないままにRSSフィードを利用している場合が増えてきている。またMicrosoftのVistaによるRSSサポートが始まることもあって,新聞社サイトもRSSフィード配信サービスのテコ入れに動き出したのだろう。
NYTimes.comは,トッピク別,レポーター(記者)別,コラムニスト別とRSSフィードのメニューを増やすようだ。現在のMyTimes(NYTimesのパーソナライズドページ)の使い勝手を改良したいと, Robert Larson( NYTimes.com's vice president of product management and development)が説明している。所望のターゲット化された記事(特定RSSフィード)を,誰もが簡単にMyTimesに登録できるようにしたいとのことだ。
同様の計画をWashingtonpost.com も近く実施したいと,Ann Marchand Thompson( Washingtonpost.com 's editor)が語る。技術に精通していなくても,関心のある記事がチェックできる環境を,ユーザー自身が手軽に設定できるということだ。
画期的サービスと言うよりも,これまでのRSS配信サービスにちょっと手を加えた程度ではなかろうか。
◇参考
・Untangle the World Wide Web with RSS (Reuters)
・RSS Going Mainstream 2007: New York Times & Washington Post Have Big Plans(Computers.net)
・米国の新聞サイト,100サイト近くがRSSフィード配信を(メディア・パブ)
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NY TimesについてはKilimanjaroさんのおっしゃる通り、My Timesに落とし込む戦略を採るようで、2007年上半期中にbeta版の招待制度を解き、NYTの会員になれば誰しもが容易にMy Timesを使え、更にそれをリーダー代わりに使えるようにするのではないでしょうか?従来のRSSリーダーと異なる点として、ご存知のように、My Timesでは"Add Content"でフィードを取り込むので、そこで技術的障壁を減らし、ユーザーの囲い込みを図るのだと思っています。リーダーを既に使い込んでいるユーザーからすると余りインパクトがありませんが、2007年は「ついにRSSがメインストリームに」とRead/WriteWebで予測が立てられているぐらいですから、一般ユーザーに対してのRSSの普及をNYTやWashington Postなどのメディア業界が牽引していく、そんな気が致しております。NYTのMy Timesについては電子新聞版のTimes Readerとどう同機を図っていくかに個人的には注目しています。
拙文で申し訳ございませんでした。引き続き御ブログで勉強をさせて頂く所存でございます。