今回のリニューアルで実施した外部リンクの導入を図でまとめると,下のようになる。リニューアル前は,提携サイトが提供するニュース記事(図の青の部分)をYahoo!ニュースサイト内で閲覧するように設計されていた。リニューアル後も基本的には同じだが,Yahoo!ニュースサイトの記事と関連性の高いコンテンツが外部にある場合は,そのコンテンツへの外部(アウトバウンド)リンクを張ることができるようにしたのだ。今回のリニューアルでは,外部リンク先のコンテンツとしては,とりあえず提携ニュースサイトのコンテンツ(図の紫の部分)とした。
提携ニュースサイトは,Yahoo!ニュースに提供する記事に自社コンテンツへのリンクボタンを置くことができるわけだ。Yahoo!サイトからリンクを張られると,いかに大量のトラフィックが飛び込んでくるかはよく知られている。提携ニュースサイトとしては,Yahoo!サイトから自社サイトへの集客を期待できる。
ただし,提携ニュースサイトに対して二つの条件を課している。ひとつは,Yahoo!ニュースからの外部リンク先となる提携社のコンテンツページに,Yahoo!ニュースサイトへの戻りリンクを置かなければならない。Yahoo!ニュースにとってのインバウンドリンクである。つまり,Yahoo!ニュースから飛び出て提携ニュースサイトに行くユーザーに,片道切符ではなくて往復切符を持たせるのである。
もう一つの条件は,飛び先の提携社のコンテンツページには,Yahoo!広告ネットワークのための広告スペースを用意しなければならない。ここの広告売上は,ヤフーと提携社で分け合う。
*Yahoo!ニュースと提携先ニュースサイトとの関係(リニューアル前とリニューアル後)
リニューアル後の実例を見ておこう。以下は,Yahoo!ニュースのエンターテイメント分野の記事例である。これは提携社のeiga.comが提供しているニュース記事である。この記事本文の後半に,関連記事としてeiga.comサイトへのアウトバウンドリンクが置かれている。
*Yahoo!ニュースに掲載されているeiga.comのニュース記事(クリックで拡大表示)
上のアウトバウンドリンクをクリックすると,下のeiga.comサイト内の記事ページに飛び込むことになる。もちろん,Yahoo!サイトの外側である。この記事ページの上部にある横長の広告(スーパーバナー)が,Yahoo!の広告ネットワークの対象となる。
*Yahoo!ニュースのアウトバウンドリンク先のeiga.com内ページ(クリックで拡大表示)
なかなか,Yahoo!はビジネス上手である。圧倒的な強者だからこそ打てる手である。Yahoo!メディアネットワークが,これまでのYahoo!ニュース内だけではなくて,提携ニュースサイトまでも包含することになる。ニュースコンテンツだけではなくて,広告スペースも含めてだ。今後はさらに,CGMも含んだ形で,Yahoo!メディアネットワークの拡大を目指していくのではなかろうか。
読者参加型機能の拡充については,明日以降のエントリーで。
◇参考
・Yahoo!ニュースが断トツなのに更なる強化へ,読者参加と外部リンク機能を本格導入(1)(メディア・パブ)
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