Yahoo!ニュースの全ページに配しているメインタブに,「ポピュラー」と「リサーチ」を置いたことからも,読者参加型機能を重視していることが読みとれる。以下は,リニューアル後のメインタブである(クリックで拡大表示)。
まず,それぞれの記事や写真ニュースに対して,読者が5段階の評価を加えることができるようにした。「ポピュラー」のページでは,読者評価を累計し,記事や写真のそれぞれのランキングを掲載している。評価ランキングとアクセスランキングの両方を見ることができる。
また,「リサーチ」では,特定のニュースをテーマにした意識調査やクイズなどを提示し,読者が投票したり答える場を設けた。その投票結果に対してコメントを投稿したり,ブログからトラックバックすることもできる。
こうした読者参加型機能も,桁外れの集客力を誇るYahoo!ニュースが実施すると,やはり集合知の威力を発揮する。たとえば,「リサーチ」ページを見ると分かる。ニュースに関する調査はほとんどが,短時間に回答数が1万を超えている。
もう一つ,読者参加型機能としてRSSリーダー枠を設けている点も見逃せない。この対応は興味深い。Yahoo!ニュースのトップページの中央当たりに,このRSSリーダー枠が置かれていたからだ。ユーザー所望のRSSフィードを取り込める。つまり,Yahoo!ニュースが提携していないサイトのニュース見出しでも,トップページに掲載できるのである。下は,その例である(クリックで拡大表示可能)
前のエントリーで,Yahoo!ニュースのメディアネットワークが提携サイトまで拡大したことを指摘した。だが,ユーザーの立場からすれば,RSSリーダーでパーソナライズすることにより,下図のようにRSSフィード配信サイトまで広がった感覚になる。
今回のリニューアルでは,Yahoo!ニュースをベースにしてニュースを閲覧していても,同サイト外のコンテンツにも容易にアクセスできるように仕向けたわけだ。ここでは触れなかったが,各記事に関連するトピックのコンテンツや,記事を引用したブログなどにも,アクセスするパスを用意している。
Yahoo!ニュースと提携社(ニュース提供社)との関係の変化にも触れておきたい。これまで,ヤフーは提携社には定額の掲載料を払っていた。今回のリニューアルを機に,これからの掲載料は提供コンテンツのページビュー換算に変える。つまり,提携社は魅力あるニュースを提供していけば,多くの掲載料を稼ぐことができる。見方を変えれば,Yahoo!ニュースの主導性が高まることにもなる。
これからも,日本のニュースサイト市場は,Yahoo!ニュースを中心に回っていくことになるのだろうか。
◇参考
・Yahoo!ニュースが断トツなのに更なる強化へ,読者参加と外部リンク機能を本格導入(1)(メディア・パブ)
・Yahoo!ニュースが断トツなのに更なる強化へ,読者参加と外部リンク機能を本格導入(2)(メディア・パブ)
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Google Newsについても同様の危機感を感じるのだが、ジャーナリズムを理解できない検索サイトがニュースをこのように扱うことで、これまでのジャーナリズムは死に直面せざるおえないだろう。Google時代のジャーナリズムが登場するように思う。その先にどんな時代が待っているのか。恐ろしい限りである。
ページビューがある、ということがもちろんすべてではない。が、見られていないニュースは存在していない、読者に届いていない、ともいえる。書いている側の自己満足である。
Google時代のジャーナリズムが登場することを恐ろしいと右往左往してみても、時代は逆戻りできない。
そんな時代であることを冷静に認識したうえで、それでも読まれ、売れ、しかも良質なジャーナリズムというものがあると思う。
日本はどうなるのかわかりませんが、hopeさんのcomentには驚きました。辺見庸さんが以前、「売れて、読まれる良質のジャーナリズムはある」といっていたとして、なんの意味があるんでしょうか。
Google時代でも「読まれ、売れ、しかも良質なジャーナリズム」とは具体的にどんなものなのか。是非、ご教授ください。それがわかれば、きっと米メディアも前向きなビジネスモデルを描けます。
hope様、是非、ご教授ください。