Daily MailのオンラインサイトであるMailOnlineの勢いが止まらない。MailOnlineは典型的な大衆向けの軟派系ニュースサイトであるが、今や世界で最も人気の高い新聞サイトとなっている。ComScoreの調査データでも、2012年10月に月間ユニークビジター数が5010万人に達し、ニューヨークタイムズ・サイトの4870万人を凌いでいる。
このDaily Mail+MailOnlineを擁したDMG Mediaは、投資家向け説明で、DMGの2012年売上を以下の表のように紹介した。MailOnlineの急成長によりオンライン広告売上が伸びたこともあって、2012年にはデジタル売上高が前年比34%と急上昇した。一方プリント売上(広告売上+購読売上)が前年比1%減と大きく下落しなかったこともあって、総売上高は8億2000万ポンド(1170億円)と13%増の2桁成長を実現した。まだまだデジタル売上比率が低いが、現在の高成長から見て2015年には、デジタル売上がプリント売上を上回ると主張しているのだ。
DMG Mediaの投資家向け資料からも、MailOnlineの勢いが読み取れる。最初は、英国インターネットサイトのビジット数のシェア推移である。dailymail.co.uk(MailOnlineのサイト)は約0.6%と、英国の新聞サイトの中では断トツのビジット数を誇っている。他の有力新聞サイト(guardian.co.uk、telegraph.co.uk、thesun.co.uk)が0.2%未満なので約3倍のトラフィックを得ている。uk.msn.comとほぼ同じビジット数となっている。
ホームページの月間滞在時間が35分と長いのも際立っている。
またEngagement(minutes/visitors/manth)対Audience(Daily Visitors:単位100万)をプロットすると、次のようになる。ビジターあたり平均すると月当たり40分、利用していることになる。他の英国のニュースサイトと比べても、圧倒的な好位置に付いていることがわかる。
◇参考
・Behind the business model of MailOnline, the biggest newspaper site in the world(Media Briefing)
・DAILY MAIL & GENERAL TRUST PLC - Trading Update(DMGT)