同雑誌のグローバルでの総販売部数(プリント版+デジタル版)は毎年、下のグラフのように順調に増え続けている(年次レポートから)。
一つ前のブログ記事で紹介したように、昨年ころから一斉に英国の雑誌もモバイル端末向けにデジタル版を販売し始めている。事実上ゼロからのスタートなのでデジタル版の販売部数は急成長しているように見えるが、多くの雑誌ではプリント版の落ち込みを補えていないのが現状である。つまり、販売部数(プリント版+デジタル版)をジワジワ減らし続けている。
ところがエコノミストは、プリント版の販売部数の落ち込み分以上に、デジタル版の販売部数を増やしてきているのだ。英Professional Publishers Association (PPA)が公表したエコノミストの発行部数(プリント版+デジタル版、プリント版、デジタル版)を次に示す。北米市場以外の、4つの地域向け雑誌の実績である。いずれもデジタル版の販売部数を前年に比べ50%前後増やしている。いずれの地域でもプリント版売上部数は減らしているが、部数の多い英国やアジア・パシフィック地域では、デジタル版の立ち上がりのお蔭で総販売部数を減らせないで済んでいる。
最大の北米市場でも、プリント版の販売部数が減ったものの、その減った分以上の販売部数をデジタル版で稼ぎ、総販売部数を92万2552部から93万8696部へと2%増やした。ちなみに北米の読者の78%が有料のデジタル版を購入している。読者の54%はプリント版+デジタル版を選び、24%はデジタル版のみを選び、そしてプリント版だけに頼っているのは22%の少数派になっている。デジタルシフトが着実に進んでいる。
参考までに、米国市場で展開している初回割引キャンペーンを。
◇参考
・Digital magazines: how popular are they?(Guardian)
・THE ECONOMIST: THRIVING IN THE AGE OF DIGITAL MEDIA( CKGSB Knowledge)
・Pearson jumps despite mixed bag of results(Interactive Investor)
・The Economist Group reports record profits and record circulation for The Economist boosted by the take-up of digital editions(PRNewswire)
・Annual report 2013 of The Economist Group