Topic.netは,これからのニュースサイトのあるべき姿を占うのに格好のサイトである。と言うことで,このブログでもしつこく追い続けてきた。そして同サイトが今週月曜に,ドメイン名をTopix.netからTopix.comに変えるに合わせて,再び大刷新を敢行した。
今回の刷新の目玉は市民ジャーナリストを取り込むことである。同サイトは一昨年からWeb2.0化を進めてきたが,ここに来て完全なソーシャルメディアに変身したともいえそうだ。
Topixもスタート当初は,他のニュースアグリゲーターと同様,メインストリームのニュースサイトからのニュースだけを収集していた。特徴と言えば,名が示すとおり,掻き集めたニュースを,トピック別に細かくカテゴリー分けすることであった。だが,これだけでは,Google Newsなどとの戦いで勝負にならない。
そこで,いち早く,Web2.0化に踏み出したのだ。これまで,仕掛けてきた代表的なサービスは次のようになる(参考の過去エントリーで紹介済み)。
・選別ブログの収集
・トピック対応のフォーラムの設置
・無料クラシファイド広告の実施
・全米各地のフォーラム活動マップの掲載
・過去1年分の記事検索
・"interactive click-o-gram," の実施
その成果を,competeデータで眺めてみよう。Topix.netの訪問者数推移(1年間)のスナップショットである。この1年間で162.8%も訪問者数が増えているのだ。
それから,今回の市民ジャーナリストの採用である。その下地を,これまでのWeb2.0化の過程で作り上げてきている。Topix.netはトピック対応にニュースページを提供するニュースアグリゲーターである。その中での売り物が,全米の市町対応に個別にカスタマイズしたニュースページである。これらはローカル新聞のオンライン版と思えばよい。細分化したローカルニュースページ毎に,フォーラムを設けたりして,読者参加型メニューを強化してきていた。
そしてついに,そのローカルニュースページのための編集者として,市民を参加させるのだ。ただ変な投稿を防止するために,Diggのように実名による投稿とする。これまでのローカルフォーラムで優れたコメントを寄せていた市民を,編集者として選考したいようだ。
同社は,2005年春にTribune, Gannett, Knight Ridder(現在はMcClatchy)の3大手新聞社グループに同社株75%を取得してもらい,新聞社グループの傘下に収まっている。だが,既存の新聞社サイトのように,紙のしがらみに囚われないサイト運用を進めている。実際,Wikipediaや Open Directory Project (ODP) のような,ユーザー主導モデルを採り入れている。それもそのはず,同社CEOのRich Skrenta氏はODPの共同設立者である。どうも,今回の市民ジャーナリストの導入プロジェクトも,彼が陣頭指揮を執っているようだ。
◇参考
・Readers Reboot Local News with Topix (プレスリリース)
・新聞社系ニュースアグリゲーターTopix.net,なぜ訪問者が急増しているのか(メディア・パブ)
・Topix.netの検索エンジン,過去1年分のアーカイブが検索対象に(メディア・パブ)
・ニュースアグリゲーターのTopix,参加型アーキテクチャを採用(メディア・パブ)
・新聞社傘下のニュースアグリゲーターTopix.net,CGMコンテンツを拡充(メディア・パブ)
・ ニュースアグリゲーターTopix.net,全米各地のフォーラム活動マップを掲載(メディア・パブ)
・Topix、リニューアルで市民ジャーナリスト採用へ(TechCrunch Japanese)
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