1週間ほど前のブログ記事で紹介したAggShopperでも、小売サイトにおける売上貢献度でピンタレストがフェイスブックやツイッターとほぼ肩を並べている。日本市場から見るとやや意外な動きであるが、米国のマーケターにはピンタレストが大きな存在になってきている。
Shareaholicはパブリッシャーの20万サイト(月間ビジター数は計2億5000万人)からデータを収集し、ソーシャルサイトからのアクセスを計数した。参照元のソーシャルサイトからのビジット数シェアを、昨年9月から今年9月まで毎月プロットした結果が次のグラフである。
月次のビジット数シェアを表で示すと、次のようになる(一部だけを表示)。
パブリッシャー・サイトにどのソーシャルサイトからアクセスしてきたかを示しているのだが、全トラフィックの15.22%をフェイスブック、ピンタレスト、ツイッターの3ソーシャルサイトで占めている。昨年9月から今年9月までのシェア成長率も、 フェイスブックが58.81%、ピンタレストが66.52%、ツイッターが54.12%と、3サイトの伸びが目立つ。逆に、StumbleUponが-24.7%でRedditが-35.16%とマイナス成長になっている。
それにしても、ピンタレストからのパブリッシャーへのトラフィックが多いのには驚く。comScoreの米国サイトのユニークユーザー数ランキング(トップ50)を見ると、ピンタレストは8月に月間ユニークビジター数が2566万人に達し、初めて49位とランクインしたばかりで、決して他のソーシャルサイトに比べて月間ユニークビジター数が際立って多いわけではない。
ただピンタレストの特徴は、熱烈な女性ファンを抱えていることだ。ファッションや美容関連の画像に魅かれてピンタレストサイトから外部のパブリッシャー・サイトや小売サイトに飛び回っている女性が多い。サイトのユニークビジター数の割には外部へのトラフィックが多いのもそのせいであろう。
ソーシャルサイトを活用した効果的な事業展開を目指す外部サイトのマーケターにとっては、ソーシャルサイトのユニークビジター数なんかよりも、自分のサイトに顧客をどれくらい誘導してくれるかのほうが重要である。米国のマーケターにとって、ピンタレストがフェイスブックやツイッター並に重視すべきソーシャルサイトになってきたということか。
◇参考
・Facebook, Pinterest, Twitter, and YouTube referrals up 52%+ in past year [REPORT](Shareaholicの公式ブログ)
・comScore Media Metrix Ranks Top 50 U.S. Web Properties for August 2013(comScoreの公式ブログ)