米情報機関の国家安全保障局(NSA)が世界の5万コンピューターネットワークを傍受している。米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者から入手した文書を元に、オランダの新聞NRC(nrc.nl)がこのように伝えた。今回の暴露情報で注目されているのが、グローバルに展開する傍受ネットワーク地図が明らかになったことだ。
世界中の約5万のコンピュータネットワークに忍び込み、情報を傍受している。NSAの専門のアクセス部隊によって、"Computer Network Exploitation," (CNE)と呼ばれる業務を実施している。下の世界地図の黄色のドットが、世界中に5万カ所以上も置いたCNEの実施場所である。NSAのエリートハッカー・チームが担当しているという。
CNE(黄色のドット)が目立って多いのは、ヨーロッパ、南米、アジアである。インターネット・サービス・プロバイダーや大手テレコム、そのほか大量の情報が扱っている会社がターゲットとなっている。

やはり、下の拡大図でもわかるように、中国内に多くの傍受箇所が散在している。モバイル装置向けチップメーカー大手のQualcomm社は中国での市場拡大を期待していただけに、同社CEOは中国ビジネスに悪影響を受けると懸念している。

今回の暴露情報でもう一つ興味深いのは、最初に掲げた世界地図の下部(橙色)に、英国、オーストラリア、ニュージランド、カナダを仲間と呼び、インテリジェンスを共有する"Five Eyes"国家としている。英国政府がGuardianにNSA関連記事について圧力をかけるのも頷ける。また同盟国と思っていたドイツやスペインが、傍受されていたことで猛烈に抗議するのも当然だが。
posted by 田中善一郎 at 12:03
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