また、これまでの伝統メディアやブログメディアに属している記者/コラムニスト/ブロガーの中にも、バイラル性の高い記事を連発して大量のトラフィックを呼び込む特出したライターが登場してきている。今日のようなソーシャルメディア全盛時代には、拡散しやすいコンテンツを発信するライターの記事とそうでないライターの記事とでは、閲覧数で格段の差が生じてきているのだ。商業メディアサイトでは、どうしても大量のトラフィックを呼び込むライターが脚光を浴びる。そうしたライターは、さらなる活躍の場を拡大するために新規の独自プロジェクトを要求し始めており、組織との衝突が目立って増えてきている。
新年に入っても、そのようなニュースが飛び込んできた。著名なゴシップブログGawkerのライターであるNeetzan Zimmerman氏が、Gawkerを去ってソーシャルネットワークのスタートアップに移ることになった。年末のブログ記事でも紹介したように、Gawkerのトラフィックの大半を彼の記事に依存してきていた。最新のライター別の週間ユニーク数の推移を見ても、彼に頼り切っていることが明らかなだけに大変だ。
ワシントンポストの人気ブロガー/コラムニストのEzra Kleinも、ワシントンポストを飛び出るかどうかでもめている。彼は個人ベンチャーとしてWonkblogを立ち上げ、いまや月間400万ページビュー以上を獲得し、同紙サイトで最も成功したプロジェクトとして評価されている。ツイッターのフォロワー数でも、ワシントンポストの記者の中で群を抜いており、ソーシャルメディアのユーザーの間でも持てはやされているのだ。“prince of D.C. media” として人気急上昇の29歳の彼は、新しいサイトの立ち上げのために会社に約1000万ドルの投資を要求したが、新しい社主のベゾス氏(アマゾンのCEO)にはねつけられたという。現在、出資者を探して、ワシントンポスト外での活躍の場を作ろうと動いている。
◇参考
・BuzzFeed’s Secret Weapon: Ky Harlin(AJR)
・Neetzan Zimmerman to leaveGawker(Capital New York)
・Ezra Klein Is Said to Plan toLeave Washington Post(NYtimes.com)
・Ezra Klein: The Wise Boy A tale of striving and success in modern-day
Washington (New Republic)