毎年実施しているPewの調査は、昨年は9月に米国の18歳以上成人のインターネットユーザー1597人を対象に実施した。米国のオンラインユーザーが、代表的なソーシャルメディアをそれぞれ何%利用しているかの結果が、次のグラフである。5サイトにおける2012年、2013年、2014年の利用者率の推移を示している。Facebookが圧倒的にユーザー数が多いのは変わらないが、成長率が完全に鈍化しており、2014年は前年とほぼ同じユーザー数となった。一方、LinkedIn、Pinterest、Instagram、およびTwitterでは、2014年の成長率がさらに高まっておりユーザー数を着実に増やしている。これは、Facebookも含めて複数のサイトを利用する人が増えてきたためという。
図1 米国成人のオンラインユーザーのソーシャルメディア利用者率。
(ソース:Pew Research Center)
ここで、4段階の年齢層別に、各ソーシャルメディア・サイトの利用者率を見ていこう。2013年と2014年の利用者率を掲げた表とグラフを以下に示す。
図2 年齢層別の利用者率(表)
(ソース:Pew Research Center)
図3 年齢層別の利用者率(グラフ)
(ソース:Pew Research Center)
米国におけるFacebookは早くから、家族間のコミュニケーションのためによく利用されているため、若年層だけではなくて中高年層のユーザーも多い。ところが図1のように、全体の利用者率が頭打ちになってきた。でも例外的に65歳以上年齢層の利用者率は、2013年の45%から2014年の56%へと大きく増え続けている。また欧米で若い10代のFacebook離れが報告されてきているが、18-29歳の若年層の利用者率は落ちなくて、昨年は3%アップしている。若年層でも成人となると、Facebookなしでは社会生活を過ごせないと言うことか。
高齢者にはあまり縁がないと思われたInstagramやTwitterも含めて、Facebook以外の有力ソーシャルメディアの4サイトでも、65歳以上・高齢者層の利用者率の伸びが、以下のグラフのように昨年はアップしたのだ。日本の団塊の世代が属する年齢層だが、同じような現象が起こるのだろうか。
図4 65歳以上・高齢者層の利用者率の伸び
(ソース:Pew Research Center)
有力ソーシャルメディアの5サイトの各ユーザーが、どれくらいの頻度でサイトを利用しているか、その調査結果のグラフを以下に掲げる。
図5 利用頻度
(ソース:Pew Research Center)
Facebookユーザーの70%が毎日利用している。一昨年の63%から7%も増えており、利用頻度が高まっているのだ。さらに昨年は45%のユーザーは一日当たり数回、Facebookをアクセスしていた。米国のオンラインユーザーのFacebookユーザー数がダントツに多い上に、各ユーザーの利用頻度も極めて高い。Facebookの独走はまだ続きそう。
◇参考
・Social Media Update 2014(PewResearch Internet Project)