動画配信の有料サービスはこれからが本番と信じている業者は多いはず。実はForresterも,有料動画ダウンロードサービスの2007年売上高は2億7900万ドルと,昨年の9800万ドルに比べ大幅に成長すると予測している。Apple, Amazon, Microsoft,Wal-Mart といった大手企業がこぞって,TV番組や映画のダウンロード販売/レンタル事業に参入しているし,これから本格離陸するに違いないとバラ色の未来を描いていたはず。
実際,市場も急成長していのだから,本来なら調査会社は強気の予測を打ち上げ,市場を後ろ押しするのが普通だ。ところがForresterは,有料動画配信サービス市場は今年がピークで,今後しぼんでいくと言ったのだから驚きである。同社Principal Analystの James McQuivey氏は,
“The paid video download market in its current evolutionary state will soon become extinct, despite the fast growth and the millions being spent today,”と語ったのだ。
なぜ,明るい未来ではなくて,暗い未来を予測したのか。その理由はこうだ。同社の調査によると,これまで有料動画サービスを利用したことのある大人は,オンラインユーザーのわずか9%であった。その彼らが有料で視聴した動画の特徴が,極めてニッチ分野のコンテンツであることだ。一般のユーザーが今後ともあまり見そうもない類のコンテンツが,有償で視聴されている。つまり,現在の有料動画サービスユーザーは,一般ユーザーの先兵とは見なされないと言うことだ。
ほとんどニッチユーザーしか寄りつかない有料動画サービスはすぐに行き詰まる。大多数の一般ユーザー向けの動画配信サービスは,有料モデルではなくて広告モデルに頼らざるえないと,Forresterは結論づけている。
この予言を本当だとすると,YouTube(Google)のビジネスモデルが正解となり,AppleのiTune事業が苦戦することになる。同レポートでは幾つかの事例を挙げて,有料モデルから広告モデルの流れが一気に始まっていると報告している。 それを支援するために,Adobe Media Player のように,ダウンロード動画内の広告をスキップさせない技術も開発されている。
ちなみに今回のForrester Researchのレポート“Paid Video Downloads Give Way To Ad Models”は,広告モデルではなくて有料モデル(価格775ドル)である。念のため。
◇参考
・Forrester: No Future For Paid Video Downloads (プレスリリース)
・iTunes-like video services have no future: study(Reuters)


