また、米国内でのファイスブック利用率はPew Research Centerから公表されていたので、年齢別利用率を日米間で比較してみた。
総務省の調査は、2014年11月に13歳から69歳までの1500人を対象に実施した結果である。10代から60代までの年代別回答者の利用率を示しているが、グラフでは10代の利用率(25%)を除いている。
米国のPew Research Centerのフェイスブック利用率調査は、2014年9月に18歳以上のインターネットユーザー1597人を対象に実施した結果である。18-29歳、30-49歳、50-64歳、65歳以上の各年齢層別の利用率を計数している。非インターネットユーザーも含めた場合の利用率は、調査結果よりも10%〜10数%ほど差し引いて見たほうがよさそう。
それを勘案して日米で年齢層別利用率を比べるべてみても、やはり中高齢者層で大きな差が見られた。米国では中高年齢層でも利用率がかなり高いのに対して、日本では高齢者の利用率が極端に低くなっていた。米国民(大人)の55%がフェイスブックを活用し、そのうちの7割が毎日利用しているというから、米国社会に及ぼす影響力が極めて大きいといえる。それに比べ日本では若年層を中心に利用者が限定されており、高齢化社会なのにほとんどの高齢者がまだ使っていないのが現況である。
ただ日本のSNS市場ではラインにも注目したい。フェイスブックを上回る勢いで成長しているからだ。総務省調査によるライン利用率を先のグラフに付け加えてみると、以下のようになる。全年代に渡って、ラインの利用率がフェイスブックを凌いでいた。米国内のフェイスブック利用率と比較しても、50歳までの年齢層においては、日本国内のライン利用率の方が高いのではなかろうか。
利用率でラインがフェイスブックを上回っていたり均衡している国としては、日本以外では台湾やタイが知られている。グローバルに見れば多くの国でフェイスブックが圧倒的に市場を制覇している。
◇参考
・Social Media Site Usage 2014(Pew Research Center)
・「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(総務省)